[コメント] 光の雨(2001/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ところが、今の政府と、国民とのあいだの権力の配分を見れば、進むどころか、すごい勢いで後退しているのを感じる。 最近、われわれ日本人が”こうしよう”って決めて実行した、前向きなことって何かあったのだろうか。
これを観ながら、あらゆる形で世の社会運動を引っ張って、今も闘っている人たちのことを思って涙が出た。 夢も希望もあったのに、あんな形で死んでいった若者達の無念さを思って涙が出た。いま、集会やデモで見かける学生達も、同じ年頃だが、彼らは、この人たちのことを知っているだろうか、とふと思ったりした。
この方達は、何かを終わらせようとしてこの本を書いたり、映画を作ったりしたのだろうか。 思い出話をしたくて、だったら、それは、あんまりじゃないか。 どうか、そうじゃないことを祈りたい。新しい気持ちで闘いをはじめる覚悟で、この作品が作られたんだと、思いたい。
ところで、組織の様子をみていて、ふと思うに、「こんなのおかしい」っていう一言が、発せられたなら、もう少し違ったことが起こっていたかもしれない。 誰が見ても異常だと思うのに、その一言が、死ぬ瞬間まで、ついに言えなかったのだ。 会社でも、町内会でも、きっと似たようなことが起こっているはず。 おかしいと思って、それを口にするのって、なんて勇気がいるんだろうとあらためて思う。
ところで、池内万作って名前見てギャグかなと思ったけど、ほんとに伊丹十三氏のお子さんだった。どっちかというとお母さんに似ているのね。でも、体が大きいし、それに、デリケートな感じがして、とても印象に残ったので。
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