チョコレート・アイスクリームと一緒に飲み込んだ言葉。

―あなたは、私と出会う前から夫を知っていたの？

彼女は、ハンクと生きる道を選んだ。しかし、チョコレートと一緒に飲み込んだ言葉はずっと彼女の心を痛めるだろう。「君を大切にするよ」そう言うハンクが優しければ優しいほど、その優しさを疑ってしまう。「この優しさは同情なの？？」

その疑問を解決するには、勇気を出してハンクに聞かなくてはいけない。ベッドに八つ当たりした激しい怒りを、彼にぶつけないといけない。その言葉を飲み込んままでは、彼女は本当の意味での立ち直りにはなっていないと思う。私は信じる。いつの日か彼女がハンクにその言葉を告げ、本当の意味で二人が理解し合え、幸せになれる日がくる事を。

この二人の始まりは、酔って感情の赴くままに求め合ったセックスだった。レティシアは、女としての渇き、寂しさを埋めるためにハンクを求め、ハンクもまた息子を失った懺悔の日々の心の隙間を埋めるようにそれに応える。

激しく、激しく、何度も何度も。 「もう一度私を女にして」

体を求め合うからといって、それは不純な恋なのだろうか？体の乾きは心の渇き。体を潤わせてくれる人が心をも潤わせてくれるのだ。心も体もすべてを求める。あの激しいセックスシーンがとても崇高に思えるのだった。