[コメント] ミスティック・リバー(2003/米)
空は、ずっと彼らを見守っていた。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
作中、「森」がもっと物語に絡んでくるのかと思っていたがそうでもなく、「空」が印象的に使われるシーンが幾つかあった。
序盤、上空のヘリと同じ目線で彼らの住む街を見渡す。狭い街である。
3人共、生まれ育った街を出ずにそのままここに住んでいる。少年時代に辛い思い出のあるデイブも街を離れず、刑務所に行ったジミーもここに戻ってきた。まるで、この街に縛り付けられているかのように。
「たまに挨拶を交わす程度の仲だ」「またあいつと友達に戻ってしまった」という台詞がある。例の事件以降気まずくなり、お互いに変な遠慮をしながら極力避けながら、それでも心の奥底のどこかで気になりながら生活していたであろう彼らのそれまでの人生が巧く表れている台詞である。
ブレンダンとケイティは、この街を出て新しい場所で二人で暮らす計画を立てる。結局それは叶わなかったのだが、「街を出る」という行為が、親父たちの生き方と巧く対比になっていると思った。
私の憶測でしかないのだが、ブレンダンはこの先、街を出ることはないのではなかろうか。彼もまた、いずれ結婚して息子が生まれたら「この下水道にはボールがたくさん詰まってて・・・」と子供の頃の思い出を話して聞かせ、この街で生涯を終える。そして空は、そんな彼をずっと見守ってゆく・・・。
なぜだか判らないけれど、そんな気がした。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (7 人) | [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。