[コメント] ひまわり(2000/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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助監督をつとめていた、という経歴を先に知っているからかも しれないけれど、岩井俊二の「love letter」が思い浮かんで しかたがなかった。ついでにいうが、ぼくはあの作品には賛辞を惜しまない。 似ているからだめだということではない。でも確かに何かが足りない。
忘れていた過去の記憶が甦るというにも、それには忘れる理由も 必要。あんな幼い恋の記憶、男性の側からでも忘れているだろうか? 少なくとも、道ばたでであった一目惚れではなくて、同級生である。 僕でも、ちょっと好きだった同級生の子の なまえぐらいは、おぼえている。love letterでは、女性の側が 忘れている理由はたしかにあった。 にしても、日食だとかひまわりだとか、演出が芝居がかりすぎる それだけにああいう忘れかたは、不自然ではある。
死んだ彼女を巡って、ひとびとがたくさん登場するのだけれども、 それらの記憶から鮮明になるべき彼女がいつまでも不鮮明なのも 気になった。一体何がために、あれだけの人物が必要なのか?女性が 求めているものが何かも、良くわからなかった。太陽だとか、ひまわり だとか・・・初恋の記憶だとか・・・。そんなものに還元していいのか? (そこに還元できない、ということに映像は向かうべきではないのか?)
それだけに、最後は、紋切り型の表現に依存しざるをえなかったのだと思う。 映画の後半を批評するひとがおおいが、違うでしょう?前半の方が むしろ問題がおおい。ああいう締めくくりしか不可能だったのです。 海辺で船を掘りだすシーンは、結構好きです。
「いい作品」をつくりたい意志があっても、肝心の「よさ」がつくりてのなかで 不鮮明なのではないだろうか?若い小説家の作品で、よくあるケースである。 それなりに、方向性は支持したい気がするので、2点。
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