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[コメント] ゆきゆきて、神軍(1987/日)

奥崎個人の執念(怨念)と狂気には目を見張るものがあり,それを描いただけで映画は成功裡に完結している。しかし・・・
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 しかし問題は,そこで彼が明らかにした日本皇軍の実像である。軍人たちは内地に帰った後,戦地での出来事を女房子供には「お前らには分からぬこと」と称して頑なに秘し,軍人会でお互いの傷を舐めあってきた。この映画が告発した重大な問題は立ち消えたままである。

 この批評空間に於けるコメントも日本の縮図。奥崎の奥さんは意志の強いひとに見えた。奥崎のように出来ないから,自分の意志で奥崎を支えている。彼が獄に入れば彼女がマイクを持った。(奥崎の奥さんは個性がない,というコメントがあったように思いますが,消えてますね)

 奥崎の追及の仕方についていけない者も多い。しかしそこから転じて彼の行状を笑う「観客」に堕したり,皇軍兵士に同情して彼を罵るのは卑怯な保身ではないのだろうか。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)寒山拾得[*] ぽんしゅう[*] けにろん[*] ロープブレーク[*] tacsas chokobo[*]

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