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[コメント] 黄泉がえり(2002/日)

タルコフスキーヲタ(と思しき)の若きシネアストが撮ったSF映画としては世界水準か。ワンショット=ワンシークェンスに耐え得る草薙、竹内の演技力。
町田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







惑星ソラリス』からの影響が明白な物語(原作)に、ゆったり周る長廻しのカメラは言わずもがな、クラシカルな音楽、病室の窓を滴る雨音や、バースディケーキのローソクの炎などタルコフスキー意匠を、正に真っ向から、侍らせてしまった本作を、そんじょそこいらの米産幽霊映画と比べてしまうのはチト違うと思う。そういう方は日本映画っつーものを卑下し過ぎているのではないか。

不満はある。

まず自分はCGが嫌いである。

草薙、寺門、アイフルのおっさんらが黄泉がえり三人を連れ電車に乗っているシーン。ここで黄泉がえり三人は消失してしまうわけだがこの表現方法が陳腐であった。ここに持ちうるべきは中途半端なCGや効果音ではなく、古くは『愛情物語』、最近では『白い犬とワルツを』で使用されたパンの戻し(*対象を捉えた後一端パンして対象をフレームアウト、パンを戻すと対象が消えているというアレです)で充分、効果音もいらない。

またラスト、草薙が消えかかった竹内を抱きすくめ(ようとす)るシーン。直前のシンメトリックなフルショットは許せても、あの緑光の飛び散る様は、漫画やアニメーションなどで散々見尽くしており、正直ダセーなと思った。

因みに個人的に最も泣けたのは田中邦衛親子の再開シーンでした。

石田ゆり子は大根。あと自殺した子の母親が校長に食って掛かる葬式のシーンは幾らなんでも感情過多で興醒めした。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)Myurakz[*] ことは[*] 空イグアナ ジョー・チップ トシ[*] sawa:38[*]

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