[コメント] モンスター(2003/米=独)
自死まで決意した女が最後の夢として見た「夢を待つ生活から、夢を与える生活」は、恐ろしいまでの依存癖をもったモンスターによって悪夢へと導かれる。哀れな女と怖い女の話である。現実の中で上手く生きるということは、実は危うく難しいことなのだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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現実を凌駕する存在がモンスターだとしたら、モンスターはリー(シャーリーズ・セロン)ではなく、セルビー(クリスティーナ・リッチ)であることは明白だ。何故ならリーは13歳から現実に立ち向かい、その壁の前についに敗れ去るが、セルビーの生き方には現実の存在そのものが欠落している。
映画の中ではリーの生い立ちは語られるが、セルビーのそれにはほとんど触れられていない。しかし、二人とも突然変異として姿を現した分けではないはずだ。生まれ方が、育ち方が、感じ方が少しずつずれを起こし、生き方が変ってしまっただけなのだ。
人は皆、モンスターに成り得るし、モンスターに出会い得る。
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