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[コメント] 交渉人 真下正義(2005/日)

仏作って魂入れずの感があるも、娯楽作として懸命に作っている真摯な姿勢が窺えてグッド!
トシ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







のっけからパクリ感が漂う中(寺島進のビートたけし風キャラとか) 知的(?)犯人と真下正義とのやりとりが見る側の頭をゆさぶってくれて面白い。 今、旬の俳優「國村隼」のステロ・タイプではあるが、一徹で親分肌のボスに血を通わせたのは「八千草薫さん」の設定。(出番的な問題なのか、ホントにワン・シーンで終わるのが残念) 「金田龍之介」演じる「線引屋」の存在も大きい。 「クモEE4-600」の造形は、ちょっとちゃちい感じもするけど、実際に走っている姿は特撮では味わえないだろう出来で、ホームに火花を散らして疾駆する映像には驚いた。「脇線」という存在もリアリティをもたせた一因。 SAT初の活躍もカッコイイ。 「ジャガー・ノート」「オデッサ・ファイル」「深夜プラス1」、フランシス・レイ、ミシェル・ルグランなど映画好きなモノにとって知的好奇心をくすぐってくれる(安直ではあるが)。 と、色々な要素で観る者にハラハラ・ドキドキ感を与えようと製作者側の努力が結実したのじゃないだろうか。雪乃さんと結ばれるエンド・クレジットは拍手ものだった(素直に拍手したかったなぁ)

と褒める事の多かった作品だけど、なんと穴の多い脚本! 犯人の解明という、最終にして最大とも言えるカタルシスを味わえないのが最大の難点。 怨恨が原因の犯罪だというのに過去の事件や犯人像について何の情報も与えてくれないのは ルール違反とも言うべき致命的な欠点だと思う。 また、色々と出してくれたキーワードも事件に深く関わってこないものばかり。 爆弾処理班・リーダーの決断は全くもって付け足しのような扱いだし、観る側は好意的な見方ばかりすると考えてでもいるのだろうか。

と、こき下ろす材料に事欠かない本作ではあるけど、「ダイ・ハード」を見終わった時の感動を思い出したのも事実。気持ちよい余韻を持ち帰らせてもらった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)おーい粗茶[*] 浅草12階の幽霊 クワドラAS[*] Myurakz[*] ナッシュ13[*] セント[*]

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