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[コメント] 妖怪大戦争(2005/日)

スタッフの「妖怪が好きだ!」と言う姿勢はびんびんに伝わってくるものの、それ以外が全く何も感じられない作品でした。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 角川が大映を吸収することによって可能となった、いわゆるコラボレーション作品で、『妖怪大戦争』(1968)をフルリメイクした上に、『帝都物語』(1988)の加藤保憲を加えて作り上げた作品。

 一見して思ったこと。これはいわゆる「船頭多くして船山に上る」という奴だということ。スタッフそれぞれがやりたいことを何でもかんでも詰め込んだ結果、物語そのものが崩れてしまってる。

 夏休みの子供用に作られた作品には違いないのだが、企画段階で水木しげる、京極夏彦、宮部みゆき、荒俣宏と言った、妖怪博士達が大挙して加わっているため、とにかくやたらとたくさん妖怪は出てきて、それぞれにちゃんと名前が付いているというのが凄いのだが、一方、妖怪を出しとけば満足。と言う姿勢がありありと出ており、たくさん妖怪は出るものの、概ねが脳天気なだけで個性がない。一方、キャストがなんの意味合いも持たない。菅原文太演じるおじいさんが意味ありげに出てくる割に、何もしてないし、ましてや他のキャラはただ出てるだけ。大人用のサービスカットも結構用意しているものの、これも全く意味が見いだせず。わざわざ角川らしく加藤保憲を出したものの、何をやってるのかも全く分からず。間の悪さも手伝い、「なんじゃこれは?」な作品に仕上がっている。強いて言うなら、なんで加藤は島田久作じゃないんだ?どうせたいして動かないんだから、キャスティングしてやってもよかっただろうに。

 ノリとか演出とかは悪くないんだけど、それだけで2時間を超える時間を観させるのは正直辛い。30分は短縮できたぞこれは。

 大体からして物語がまるでメリハリがない。どこぞのいい加減なアニメの脚本をそのまま実写にしたような、なんぼなんでもいい加減さは全然いただけず。ラストシーンは「続く」なの?やらない方が良いと思うよ。

(評価:★2)

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