[コメント] 機動戦士ガンダム II 哀・戦士編(1981/日)
この映画(と言うより元のテレビ版のこの辺りの話)は、良くも悪くも非常に重大な転換点をアニメにもたらした。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ガンダムが佳作たり得たのは壮大なストーリーやリアルな戦術ではなく、むしろ緻密なヒューマン・ドラマの方にこそあったと思う。この映画はそれを端的に良く示していただろう。少なくとも鬱に入り込んで戦いを放棄した主人公など、それまで殆どいなかったのだから。
軍の規律と、それに抵抗する若しくは負けない人間の感情。これは富野喜幸監督のテーマの一つのようだが、ここではギリギリのバランスでそれが上手く描けていた。1作目と3作目の丁度過渡期にある、一般人であることと、軍人であることのバランスが取れていないアムロの感情表現は巧みだ。
そして最後のジャブロー戦でのカタルシスは、「哀・戦士」の歌声が響く中、今まで押さえ気味だった戦闘シーンが一気に吹き出たかのような力強さ。これは興奮した。
テレビ版殆どそのまんまだが、元が良かっただけに文句は無し。ただ、今思うと、この「等身大のヒーロー」を作ろうとした富野喜幸の狙いは以降、完全に誤解されてしまった感じがある。
戦いに強引に巻き込まれ、人を殺したくないからとウジウジと悩む主人公達が量産される。ロボットに乗って自分探しをするのはこの作品一度で充分!そんなヒーローを量産しないで欲しいよ。全く。せめて切り口変えてくれ
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