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[コメント] サイダーハウス・ルール(1999/米)

人は皆、「生まれるという罪」を背負い生まれ、それを「生きること」で償い、そして「死ぬこと」で許されたいと願うのだ。
あき♪

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







どことなく寂しさが全編を通して感じられる映画。

見知らぬ土地で許されぬ恋に落ちたり、人としての尊厳を汚すような農夫がいたり、と全編を通じて何だか生きているのがイヤになるような、話が続きます。

そしてその話が、夫の帰還、農夫の娘の堕胎、農夫の死、というトコで動き出した時、ホーマーは相手を思いやる事を含めた、自分として決めなければならない自分の進むべき道を見つけます。

その進むべき道とは、重症の夫の帰還を持った恋人とどうしていけば良いか、今まで個人的には認める事が出来なかった堕胎という事をどう自分の中で認めていけばよいか、 そして自らの罪を悔いてはいるがどうしようもない「業」を持った父親の自殺とも言える生きる事を拒んだような死のありようを目の当たりにしてそれをどう受け止めていけば良いか、などを目の当たりにして掴んでいく何かです。

それらと対峙して、自分の生きていく道を見つけたホーマーが自分のホームに帰る時やはり感動がやってきます。

ルールと言うものを作って生きていく「人」と言う存在、 そのルールとは決して何かを強制するために作られたものではなくて、 日常にあるたくさんの辛い出来事を 少しでも和らげるためにつくられたものだと思いました。

そしてそのルールでより良いルールを見つけられた時、人は皆、自分の居場所を見つけていくことが出来るのだなとどこか暖かい気持ちにさせられました。

何はともあれ傑作です。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (14 人)ミュージカラー★梨音令嬢[*] 鵜 白 舞[*] sawa:38[*] ホッチkiss[*] ミッチェル[*] フランチェスコ[*] peaceful*evening[*] OZU[*] ことは[*] Amandla! RED DANCER[*] 茶プリン ジェリー[*] ina

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