「ロミオとジュリエットとストーカー」ってお話ですよね、これ。

　映像は期待通りで、ハッとするほど綺麗でした。ただね、何かお話がところどころでおかしなズレ方をしてるんです。

　例えば追っ手に殺されかけて文句を言う金城武に対して、アンディ・ラウが言うセリフ。「俺の方がツラいんだ！あとをつけ出してから一睡もしてない！」。いやいや、明らかに金城の方がツラいだろう。まぁこのセリフの真意は後から判ることになるんですが、それをさっ引いてもやっぱり変なセリフ。

　追っ手が竹の上で竹ヤリを削り出してるのも笑いました。いくら何でも現地調達過ぎ。でも一番笑ったのはチャン・ツィイーの不死身ぶり。積もった雪の下から蘇ってきた日には「お前どうしたら死ぬんだよ」と。

　まぁこのズレが文化による違いなのか、それともセンスの個人差なのかはわかりませんけど、結局ストーリーから繊細さを欠かせてしまっているんですよね。どいつもこいつもしぶとくてズ太い。ラブストーリーとしてはちょっと致命的です。

　まぁ笑うポイントが多かったんで、飽きずに観ることはできたんですけどね。これもまた一つの愛の力なのかも知れません。違うと思うけど。