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[コメント] アバター(2009/米)

12年なんて短い!!(2009.12.26.)
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「12年なんて短い!!」 ―そう思わざるを得ないでしょう! たとえ『タイタニック』から12年期間が空いていたとしたって、ここまでやられちゃうと感服としか言えませんって。

この『アバター』を観る前、ナヴィのキャラクターデザインを主なる理由として、「ちょっとどうなのかな?」という疑問符が過ぎっていたこと、これを僕はまず謝罪しなければいけません。はっきり言って、そんなレベルじゃなかったのだから…。ちゃんとこのクリーチャーデザインにも理由がある。観ながらそれを受け入れていけるように作られている。見かけだけで敬遠した気持ちを持ってしまったこと、それはあまりにも浅はかでした。

今回、もちろん3Dデジタルで鑑賞したわけだが、ジェームズ・キャメロンがそのためにさまざまな技術を開発し、入れ込んで製作しただけに、3D前提で作り込まれた映像の数々には驚愕せざるを得なかった。特に、しきりに使われる俯瞰ショットの素晴らしいこと。キャメロンは3Dによって高低差を生かせることを熟知していることに加え、迫力のあるシーンを作らせたら右に出るものはいないくらい映画のシーン作りも熟知している。ただ3Dがスゴいのではなくて、見せ方も全部ひっくるめてやはり巧いんです。イクランとの絆を結ぶシーン、本当に空を飛んでいるように感じるのは、技術的部分だけでなく、演出的な部分も乗っかってのものだと思うわけです。

クライマックス、その大アクションにはただただ興奮しっ放しだったが、それにしても、映像技術だけには頼っていない。そこに向けてしっかりと盛り上げるように、きっちりレールが引かれているのだ。戦闘ロボットが存在していること(これは『エイリアン2』を連想させますね)だったり、大迫力のホームツリーの崩壊シーン(これはタイタニックの沈没シーンを連想させますね)だったり、クライマックスで今まで見せられたことを総決算にしたような衝撃的な映像の連続が待っているだろうという伏線があることによって、もう期待するしかない状況になっている。そこで満を持して見せてくれるのが、あの圧倒的な空中戦だったりするのだから、もう口をあんぐり空けて立体的な画面の中に没入するしかないのです。

観終わって、ここまで興奮覚めやらぬ気持ちになるとは思いませんでした。ジェームズ・キャメロンという最高のSFアクション監督が、最高の技術を開発して、ここまでやり遂げてしまうと、これからアクション映画を作るクリエーターはトラウマになるのではないか…。CG技術も成熟しきった今、この映画の登場は革命と言えるかもしれない。新たなスタンダードを早くも作ってしまったキャメロンは、やはり恐るべき監督だ。

(評価:★5)

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