SODOMさんのコメント: 点数順
松ヶ根乱射事件(2006/日) | 恐らく山下敦弘から見た90年代っていうのは、バブル全盛時以降、覆い隠されてあった「醜悪さ」が何かの拍子で暴かれるという危険性から人間関係が徐々に崩壊していくイメージだったんだろう。その「因子」がネズミだったり金の延べ棒だったり生首だったり私生児だったり、実体の掴めないものばかりで余計に主人公の苛立ちを助長させる。 [review] | [投票(6)] | |
ハスラー 2(1986/米) | 邦題をもっと工夫してくれ〜! 原題のまま『ザ・カラー・オブ・マネー』にした方がずっと粋でカッコいいぞ。日本の観客はトム・クルーズ好きが多いから肩透かしを喰らったのかも知れんし、或いは名作『ハスラー』の続編というリスクがあまりにも大きかったので評価が今一のようだが、僕なんかは寧ろ一作目より面白かったぞ! [review] | [投票(5)] | |
ケープ・フィアー(1991/米) | 誰の心にもマックス・ケイディは潜んでいる。当然、トラヴィスもいるしラモッタもいるしパプキンもいる。それらは何かしら人間の心内に隠れ住んでいるのだ。普段、人間のダーク・サイドは表には出ないが、ふとした事で、心の中で眠っていた悪魔が目覚める・・・・。「オマエハオレカラノガレラレナイ」 [review] | [投票(3)] | |
トゥモロー・ワールド(2006/米) | 今の時代の混迷をしたたかなメッセージで描いたSF映画として評価したい。スピルバーグが『宇宙戦争』で本当にやりたかった事はこれじゃないのか?。多くで賞賛されるカメラワークや長廻し映像も確かに凄いがそれ以前に内容が頗る今日的で素晴らしい。絶望と希望が綯い交ぜにされたラストは詩情すら感じさせる。 | [投票(3)] | |
ミュンヘン(2005/米) | ヤサ男が報復の旅を通して一人前の父親として成長していく叙事詩みたいなもん。スピルバーグの冷めた描写は本作で一つの到達点を迎えた。これまでの「どうだい?凄いだろ?」みたいな押し付けがましさが無くスッキリ観られる。抑揚の無い、どちらかと言えば地味な演出が却って効果的だった。 | [投票(2)] | |
鉄コン筋クリート(2006/日) | 松本大洋の原作漫画のファンにとっては、良く纏め過ぎという点が不満に思われるかも知れないが、破滅的でダークな原作に比べて普通に解りやすい娯楽作に化けた。 もちろん、「普通」のアニメ映画しか観ない人にとっては「難解」な要素がタクサンできついのは仕方ない。 とにかく、理屈抜きにしてこの超絶映像を楽しもう。 [review] | [投票(2)] | |
長江哀歌(2006/中国) | 希望と絶望が交互にダムを行き来する観光映画の最高峰。 [review] | [投票(1)] | |
ばかのハコ船(2002/日) | この監督の映画では『リアリズムの宿』よりこっちの方が面白いと思う。役者のハマり具合が尋常になく素晴らしい。特に山本剛史の凶悪なオーラは特筆もの。 | [投票(1)] | |
スパイダーマン3(2007/米) | 主人公が指パッチンしながら街頭をまかり通る姿なんて末期的だよな。 | [投票(1)] | |
マリア・ブラウンの結婚(1979/独) | [ネタバレ?(Y3:N1)] 倫理を重んじる為にハッピーエンドを避けようとする映画なら良く見掛けるが、この映画の場合は、本来ならハッピーに終わるはずの物語をどうにかしてバッドエンドに変えてやるぞ!という監督の意地の悪さが随所に感じられる。ラストの「不運」な爆発事故こそあらゆる倫理を踏み躙る【ファスビンダー】の面目躍如。 | [投票(1)] | |
デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2(2005/米=独) | 単なる「善・悪」の二元論を超越している点が面白い。この監督は本来「映画」がどういうものなのかを完璧に理解しておられる。そう・・・あのタランティーノやコーエン兄弟以上に。オタクの自己満足でしかない装飾で塗り固められた凡百のものとは一線を画す「理論派」パロディムービーだ! [review] | [投票(1)] | |
マーズ・アタック!(1996/米) | 映画の中で「みんなで楽しく滅んでください」と監督は宣言した気がする・・・・観客(オレら)に向って・・・・。これぞティム・バートンの到達点。悪ノリ全開でスカッとするね。今、こういう趣の映画がどんどん減ってきてるだけに貴重かも。 | [投票] | |
鬼畜大宴会(1998/日) | この監督は映画的教養タップリの演出でこういうバカ映画を平然と撮れる素晴らしい人です。題材の好き嫌いは分かれるが、今村昌平、神代辰巳の土着性と北野武的虚無感をプラスした作風に少なからずボンクラ魂を垣間見た。内容は大いに馬鹿げてはいるが、役者全員が歯止めの効かない狂気を熱演。 | [投票] | |
蟲師(2006/日) | 原作に忠実か忠実でないかは別として映画的には成功していると思う。映像もこれまでにない感じ。ちっとも駄作じゃねえよ。 [review] | [投票] | |
サイコ(1960/米) | 後半の犯人探しからがいつものヒッチコック調であり、前半の保険金持ち逃げシークェンスはいわば「エサ」ですね。映画の主役はどう見てもジャネット・リーなのに、実は彼女も「エサ」でしたあ、みたいな。 | [投票] | |
家族ゲーム(1983/日) | 終始無表情の松田優作が時折見せる暴力性。彼は「家族」という束縛を破壊する為にやって来た闇の救世主なのだ。 | [投票] | |
スティーブ・マーティンの 四つ数えろ(1982/米) | 爆笑! スティーヴ・マーティンが色んなハードボイルド映画の主役になり切る。こういうクラシック映画へのオマージュがたくさんあるコメディは好きだ。全体的なノリは鈴木清順っぽい(笑)。 | [投票] | |
悪魔のいけにえ2(1986/米) | 無理矢理こういう設定に変えた所が安易という感じもしなくはない。でもそれ以上に押し通すってのも結構大変だろうな。「上手に良く纏められた映画なんてチェーンソーで滅多斬りだ!」とでも言いたげなフーパー節が心地よい。 | [投票] | |
恐怖の足跡(1962/米) | 『シックス・センス』の元ネタとして有名。ふと気がつくと「私」に誰も反応してくれない。何故? まるで自分が存在しないみたい。そして悪夢のような光景が・・・・。 全編に響く気味の悪いパイプオルガンも印象的。この頃の低予算映画としてはストーリーの発想も含め、実に面白く出来ている。何より、締め方が斬新。 | [投票] | |
リリー(1953/米) | 子供染みた世界観(故にファンタスティック)なのだが、現実世界と完全に遊離してこそミュージカルの醍醐味。「雨に唄えば」や「バンドワゴン」程の派手さはないが、虚構の中に放り出されたような恍惚感とメロディラインが魂を鷲掴みにする。ミュージカル映画を観ると理屈つける気が失せちゃうね。白痴化? | [投票(2)] |