★4 | ジェイソン・ボーン(2016/米) | 全部思い出したって本質何も変わらんし最早何が何だか珍糞漢糞なモンタージュが笑えるレベルなのだが、それでも冒頭ギリシャシークェンスでの喪失が串団子形式の単線構図に哀切のロマティシズムを基底する。馴れ合いゼロの世界を敵カッセルの滋味が牽引。 | [投票] |
★3 | 地球が静止する日(2008/米) | 意味或るメッセージの呈示とは思うが一生懸命説得すりゃあ勘弁してくれるという数十年前の時代認識。それが他愛なく不快かと思えば何となく新鮮でもあったのが意外。神話世界の巨人めいたロボットと細菌兵器の暗喩めいた細密ロボ嵐。悪くはない。 | [投票(2)] |
★3 | ギフト(2000/米) | 『シンプル・プラン』にも通底する弱者への慈しみが基調にあり、ケイトの静謐なる佇まいと相まって哀しみに溢れた情感が全篇を覆う。それだけに、オカルティズムはドラマの根幹だとしても、そこに収斂させる作劇では底浅感を免れないしバランスを欠く。 | [投票] |
★5 | スリー・キングス(1999/米) | チョイ悪野郎どもが欲を捨て立つ胡散臭さを認めつつ、しかし、妻を子を殺されたイラク男たちの想いは置き去りに能天気ガイは生き延びる。クールを越えブラックに至るアイロニー。朝鮮を中東に置き換えた『M・A・S・H』焼直し版はナウな視座に充ちている。 | [投票] |
★3 | X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011/米) | エリックの個の戦いとしての対ナチ復習譚である前段のエネルギーは集団戦へと取り込まれて消失してゆく。それが一応収束したあとの抗人類思想の萌芽が如何にも性急で予定調和的。大風呂敷を広げた史実的クロニクルは『SW』的前史譚へと矮小化された。 | [投票(4)] |
★4 | シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024/米) | 分断が高じ内戦に至る経緯をすっ飛ばし渦中から入りそのまま突き進む食い足りなさを割引いても、戦時に戦闘の渦中ではなくその外縁部に於いて狂気と欺瞞が蔓延する様を描いて秀逸。サバーブでのエピソード積立から駐屯地の大兵站、市街戦への流れも如才ない。 | [投票(1)] |