★3 | けんかえれじい(1966/日) | 戯画化されたバンカラ世界に見える男の本性としての幼さと、その性が作り出す男社会の軽佻浮薄さは分かるのだが、どうにも才気走ったこれ見よがしのあざとさを感じてしまい、いまひとつ好きになれない。 この作法が、本当に作品テーマに合っていたのか疑問。 | [投票(2)] |
★4 | 河内カルメン(1966/日) | 強がりと落胆、嘘と本音、情と現実を不器用にないまぜにして露子(野川由美子)を世間に送り出す勇吉(佐野朝夫)との別離シーンが白眉。これを契機に露子は人生を「ふっきる」のだ。境遇、欲望、身分、貧富、性癖。そんなしがらみは勇吉とともに消滅したのだ。 | [投票] |
★4 | 遥かなる国の歌(1962/日) | 取り立てて、どうと言うことのないプログラムピクチャーながら山川潤(小林旭)という男の、勢いだけで突き進む唐突な行動が、お約束どおりのストーリーに微妙な変化とズレを生み出して妙に魅力的な映画になっていて実に楽しいので、思わず4点献上。 | [投票] |
★4 | すべてが狂ってる(1960/日) | オーソドックスな星川清二脚本の物語の中を、まさに若者たちのパワーそのままに川地民夫を一気に駆け抜けさせて、その守旧性をぶち壊し新たな映画を構築する鈴木清順の力技。軟弱野郎を挑発する禰津良子のクールなキュートさが実に魅力的。 | [投票] |