★5 | 生きる喜びを追求することは茫漠たる永遠の願望であり、悲しみこそが逃れようのない人の営みの本質なのだろう。だから我々は海炭市の人々の生き難さに共感し、彼らの悲しみを美しいとすら感じるのだ。北の地の、年の瀬の、市井の叙景に生きることの切なさをみた。 [review] (ぽんしゅう) | [投票(4)] |
★4 | 夜間撮影の暖色感あるライティングが特筆の侯孝賢や市川準の仕事の高度な追随作だとは思う。全ての挿話は孤絶にまみれ崇高の域にまで達しているが、終盤に若干シンクロしかける仕掛けを施すなら何らかのカタルシスへ集約できればと思わせられた。 (けにろん) | [投票(3)] |
★4 | 「待つ」ということが、その期待ゆえに強いる激しい痛み。彼らが待つ「何か」とは「幸福などといった名で呼ばれるもの」だが、時として、「求める」ことを許されない市井の人びとの多くはその名を忘れてしまうことすらある。痛くても、それが何かすら分からなくなっても、待つしかない。でも、待つことすら許されないとしたら、人は人でいられなくなるのではないか。 [review] (DSCH) | [投票(4)] |
★5 | 熊切は本物だ。 [review] (ペペロンチーノ) | [投票(7)] |
★4 | すべての画像が喪失感を指し示している。“何か”が失われてしまった。だが本当に“何か”などというものがかつてあったのか。「確かにあったはずだ」と、映画は古い八ミリフィルムを回しながら静かにタイトル・インする。あまりにも私たちに似すぎた彼らを見守るにつけては、劇の作為性にこそ救われる。 [review] (3819695) | [投票(7)] |
★5 | 暗ければ暗いほど星は見やすい。 [review] (まー) | [投票(4)] |
★5 | 5つのオムニバス映画であります。すべてが虚無的でもあります。生きることの空しさ、哀しさが切実に伝わってきます。話のすべてが身近です。どこにでもあるような話がかえってリアルです。 [review] (セント) | [投票(6)] |
★4 | 最後までスウィートな展開に逃げ込まないストーリーテリングは作り手たちの真摯な志の証だ。そうだよ、人生や現実なんてものはかようにビターで辛辣で暗澹たるものなのだ。それでも、決して悲惨ではない。そう言い切れる気高さにみちた映画。 [review] (田邉 晴彦) | [投票(4)] |