★4 | 夫婦をめぐる人々の点描が脈略なく拡散し、どれも大した話しじゃないのに何だが楽しいのは「話し」を語るのではなく「見せる」ことに徹しているからだ。本筋が見えなくなった「話し」は“宝くじ事件”の究極の「見せる/見せない」を経てやと夫婦の話しに収束する。 (ぽんしゅう) | [投票(1)] |
★5 | 夫がダメっぽい奴なのがいい。嫉妬深い、すぐ癇癪起こす、おっちょこちょいという卑小なキャラクターなんだが、彼がそんなだからこそ宝くじをめぐって一喜一憂する展開が面白くなっている。ラストも鮮やかで気持ちいい傑作コメディ。 [review] (太陽と戦慄) | [投票(3)] |
★5 | 掛け値なしの傑作。なんと豊かな運動の映画。特に前半と終盤が恐るべき運動量だ。画面の縦横に様々な人物が入り込み、画面内で動き回る、その量も速度も全く常軌を逸している。 [review] (ゑぎ) | [投票(5)] |
★5 | というわけで、この映画の「速度」には心底驚愕した。話の展開が速いという意味ではない、人物の動きの早さが尋常ではないのだ(思わず再生速度を確認したほど)。喋りも1カット内での動線も一切の躊躇がなく動く。完全に無心理。だから宝クジを失くした時の絶望表現が「ゆっくり歩く」、これだけで充分になる。おまけに人物同士の掛け合いが滅法笑えるのだ、これは『穴』や『肉体の冠』にも劣らず素晴らしいベッケルの名作。 [review] (赤い戦車) | [投票(3)] |
★4 | 他愛無い掌話なのだが、数多の後景を圧縮した厚みのなかを物語が疾走する。職場・隣人・行きつけパブなどの人物群が幾何学模様のタペストリーのように錯綜する。そんななか浮かび上がるのは窮地のときこそ愛は試されるの理なのだ。いい奥さんで良かったっす。 (けにろん) | [投票(3)] |
★4 | 『赤い手のグッピー』に引き続き本作でも、本筋が破綻するのではないかと思われるほど脇役を過剰に扱う語り口がとても魅力的。リアルな手触りが残る。 [review] (寒山拾得) | [投票(3)] |