★5 | 検閲通過の韜晦として史上屈指のダブル・ミーニング。凍りつくような沈黙が支配する、『奇跡』の前哨戦に相応しい傑作(含『尼僧ヨアンナ』のネタバレ)。 [review] (寒山拾得) | [投票(4)] |
★5 | ワンショットごとの確かな「意志」で一気に引き込まれ画面から目が離せなくなる。多様されるカメラの横移動は、屋内シーンではどこまでいっても“息づまり”に支配された迷宮の閉塞感をかもし、屋外の逢瀬シーンでは生と性の“息吹き”に満ちた開放感で満たされる。 [review] (ぽんしゅう) | [投票(1)] |
★3 | 姑の執拗なな嫁いびりや教会の恣意的な魔女裁定など解り易いテーマが描かれるが、そのことによって何か深淵な心理が暴かれるわけでもない。抑圧による怒りが潜在能力を解放する『キャリー』あたりと同根の物語に見える。火刑の即物的な禍々しさは比類がない。 (けにろん) | [投票] |
★5 | そのテーマといい技法といい、ドライヤー初体験の私としてはただもう驚嘆するしかないのだが、ひとつわかったことは、ヒロインの心の動きのなんと現代的であることか、愛や恋や若さ、自由や束縛といったものの考え方は溝口の田中絹代より、ひょっとしたら増村の若尾文子よりも、今の人々にアピールするのではないかと思う。 [review] (shiono) | [投票(3)] |