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水那岐さんのコメント: 更新順

★3Broken Rage(2024/日)十年一日の如し。特に後半はもはや「定型文の魅力」である。いっそ専業コメディアンに戻って活動すればいい…始終花魁のヅラを被って演技しつづける位の「自ギャグのゴリ押し」を演じるなら、「コマネチ」の意味が分らない若年層だって、苦笑くらいはしてくれるかもだ。[投票]
★2未成年 続・キューポラのある街(1965/日)右も左も大差なく、川口の街は等しくどう転んでも針地獄である。そんな中、絶望と妥協に右往左往する人々を尻目に、決意した小百合の正しさなど検証せぬまま、野村監督は彼女を放り投げて物語を終えたのだ。ファンのラヴコールに応えただけにしろ、こんな続編を誰が望んだろう?[投票]
★3機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning(2025/日)コンセプトだけで高得点を与えてもいい出来。こういう斬りこみ方は余人の追随できぬ所であり、しばらく無人の荒野をひた走るもまた良し。しかし、手法だけで攫った話題もここまでだ。本編の出来具合によっては勢いだけと見放されても仕様がない。さて、ここからどう跳ぶかだ。 [review][投票]
★3窓ぎわのトットちゃん(2023/日)素晴らしいモノ、美しいモノの喧伝にこころは動かない世代だ。だが、そんな俺の意識にもそれらの喪失はなんと胸に迫るものがあるのだろう!影も姿も失われてゆく「価値あるモノ」を惜しむ哀しさの発露は、おそらく人間の根源に潜む感情に違いあるまい。[投票]
★4ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024/米)なんて悲しすぎるミュージカルの断末魔!われらが昔胸を躍らせたあのイカれた文化は、もはやカリスマヴィランと同じくぶざまな姿で退場するしかないのだ。俺は泣きに泣いた。 [review][投票(3)]
★3映画 めんたいぴりり パンジーの花(2023/日)正直、こんなベタな脚本なら俺でも書けるのだが、それでもほんわかした気分になれるのは、華丸が底抜けに明るい亭主であり、富田靖子がカワイイ女将だからだ。アホなベタ話を昇華させるのは、つまりはアホの自乗にほかならないのだ。くだらぬエピソードだが、やってる本人が音を上げるまで演らせていただきたい。[投票]
★4ゴジラ-1.0(2023/日)ノスタルジー監督でいい。百田のバカの御用達監督でいい。この日本にエモーショナルかつ超科学におもねらないゴジラ映画が撮れる男は、もはや山崎貴しかいないのだ。例え俳優のセリフがアンチリアルであっても、本気でキワモノに命を吹き込もうと企む稀有な監督には感謝しかない。 [review][投票(1)]
★4川っぺりムコリッタ(2022/日)まるで荻上直子の『どですかでん』のよう。群れても一人でも、その厚かましさに閉口させられる隣人に、過去を引きずり出されて仲良くなる過程。どうしても俺には馴染めないユートピアというのは本当にあるのでしょう。むしろ地獄から天国に移住するまでに、前科を洗い流す「煉獄」というのが、監督の思い描く薄汚いモデルなのでは。[投票]
★1アリスとテレスのまぼろし工場(2023/日)凄まじい嫌悪感。この監督は大人と男が大嫌いで、この色情に餓えた美少女たちにより勃起を促したあと、都合のいい男を楯にして自分たちは生き延びようとする、とんでもない女どものアジテーターなんだろう。そういう部分を度外視すれば岡田の最高傑作だが、所詮ランバ・ラルをコケにする反マッチョ軍団の総帥。その承認欲求など認めるお人好しではない。[投票]
★3青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない(2023/日)正しい順序なのか判らないが、「ゆめみる少女」に続いて観て思うのは、ああ、語り口と音楽と絵の世界なんだな、ということ。きわめて美しく洒脱に語られる事実は、青春期の誰しもが経験するアタリマエにすぎない。でも、そういうシリーズなんだなと思ったあと、甘ったるい語り口のパフェを食べきったことへの脱力感はなく、後味はよい。[投票]
★4Ultraman: Rising(2024/米=日)彼らは、我々の知るウルトラマンではない。だが、その戦いは、時代を追って意味を失ってゆく我が国の醜いウルトラマンたちより、なんと素朴で原初的な意味をもって行われているだろうか。沖縄に生まれ、祖国の実質的な壊滅を見てきた脚本家たちの魂に見せたかったものではある。 [review][投票]
★3好きでも嫌いなあまのじゃく(2024/日)なんて勿体ないことを!数知れぬ魅力的なキャラクター、舞台となる現実の山形と隣接した鬼の世界の謎、その他をジブリオマージュを匂わせつつムリヤリ2時間に詰め込み、およそ魅力のない教訓で括っている。1クールで真面目に撮れば愛すべき秀作になったろうに![投票]
★3BLUE GIANT(2023/日)実績のあるプロの演奏をそのまま活かすのは正解で、この映画の魅力の95%。熱血青年のユーモラスな青春放言がその価値をほとんどこそげ落としている。 [review][投票]
★4北極百貨店のコンシェルジュさん(2023/日)原作の功績なのかも知れないが、「絶滅危惧種生物」「百貨店」「召使い」といった過去の遺物たちの本質をくみ取り、「人間が動物に奉仕する百貨店」という一見古臭い童話のモチーフで大人たちに大きな疑問と解答を投げかける。この方法論には感服した。[投票]
★4すずめの戸締まり(2022/日)ああ、俗な娘がヒロインであることは、今やこんなに自然で素晴らしいことなんだ。男がいなけりゃ朽ち果てそうで、始終オッチョコチョイをぶちかまして、でも気丈で心がマッチョでない女。日本の小娘の『ナウシカ』でも『プロジェクトA子』でもない普遍化。甘い点はスケベ根性ゆえじゃない。[投票(1)]
★3仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド(2024/日)やはり無理はある。瀕死の運命を背負うヒーローが敵とするのは純然たる人間であり、ヒーローは怪人のために命を賭けるのだ。20年前の物語を知るファンのための中編であっても…。そしてライダーやオルフェノクに匹敵する第3の戦士はあまりに陳腐だ。 [review][投票]
★2夢幻紳士 人形地獄(2018/日)眉目秀麗な悪魔的青年…をまず探してこないとこの物語は始まらなかったのではないか。ミステリーというよりは怪奇とブラックユーモアの世界なのだから。その点監督は乱歩ファンなのかそれらしく仕上げているが、舞台ならぬ映画ゆえ映画的なカンの無さは致命的だった。場面転換は下手だし、舞台俳優は巧くとも映画的演技の素養が皆無だというのが惜しい。[投票]
★4電信柱エレミの恋(2009/日)何とも淡く儚げなつながり。しかしそれが性愛情報の氾濫する現代より、さらに数十年を遡る時代の物語と知り、自分たちは甘い夢に浸る。それを後ろ向きな時代錯誤と誰が笑えよう。電柱と人間の恋という、実にロマンティックな題材は創り手の粋な計らいにより、静謐で言葉に表せない心の交歓を現出させるのだ。[投票]
★1たこ焼きの詩(2015/日)お話にならない。コテコテの母子感涙ドラマを期待していたが、正直なところシロウトが撮った粉もん屋とテレビ局のコマーシャル映像でしかなく、ストーリーはお添え物ですらない内容薄弱ぶり。大阪弁のうまさはよく判らないものの古和咲紀は子役としてよくやっていたが、もっといい才能の発揮場所はいくらでもある。そちらに期待したい。[投票]
★3モキシー 〜私たちのムーブメント〜(2021/米)観ていて愉快ではないのは、ヒロインの思い上がり。目立たない存在から他者を糾弾する立場に移った途端、個人を恫喝し親友の声を無視し家族に反発する。こういうところから内ゲバは現われ、セクトは分裂するのだ。ラストは無理やりの言い訳としか思えなかった。[投票]