★4 | ジム・キャリーのエースにおまかせ!(1995/米) | ファレリー兄弟物を先に見てしまってたのですが、いやー面白かった!こんなに毒があるとは・・。でもこの分だと、映画やテレビでは出来ないネタをこの人は沢山もってるな、と思った。あまりの意味がアウトした逆にしらけそうになるところをぐいぐい押しまくって納得させてしまうワザは、世界に彼しかいない気がする。 | [投票] |
★4 | 宋家の三姉妹(1997/日=香港) | 個人的は、マギー・チャンの存在感、色気、演技をただただいつまでも鑑賞して居たかったなー、という作品。それにしても、欧米流のいわゆる文化的な生活があって、そこから共産国家になってゆくという流れが、歴史的な転倒の滑稽と悲劇とのダイナミズムとして鮮やかに描かれていて、素晴らしかった。もっと長尺にしてもよかったのでは? | [投票] |
★4 | ウォーターボーイズ(2001/日) | 役者たちにぎりぎりの努力をさせて、その成果を他の出演者ともども受け止める、という構造は本物の感動になるんだ、と感心した。真剣にシンクロしてる役者も必死なら、それを観ている子たちも素で応援してるし。でも、あれだけの魚を傷つける必要ななかったと思う。ギャグのために魚を平気で痛めつける神経は、ちょっとヤだったな。 | [投票] |
★4 | 不良少女モニカ(1952/スウェーデン) | これ、当時だと少女が「悪」なのかもしれないけど、いまだったら少女は普通で、少年が「お子ちゃま」なんだよね。でも、モニカを描くベイルマンの演出には、それを予感されるような、モニカを反語として描いているような余韻が常にある。そこがこの映画の普遍性のような気がします。 | [投票] |
★4 | 夜がまた来る(1994/日) | 夏川結衣は劇場公開するなら脱ぐ(つまりVシネマじゃいやだ)と言ったそうだけど、役者としてのその決意が鮮やかに役と重なっていて美しかった。しかも、それなのになかなか彼女をアップで見せないいつもの石井監督も、意地悪でいい。石井作品の中では、このエンディングが一番好き。 | [投票] |
★4 | 古城の亡霊(1963/米) | なんか、この安っぽさが怪しくて、この映画を作ってる人たちってきっと普通じゃないなんだろうなー、そういう人が生きているこの世の中って、怖いー!と子供心に思わせられたのね。お祭りの「ヘビ女の屋敷」もそうだけどね。ロジャー・コーマンとかニコルソンというブランドを知らないで観たら、すげー怖いよー。 | [投票] |
★4 | 天使のはらわた 赤い閃光(1994/日) | ストーリーがすごく良くできている上に、出来るだけ映像で語ろうとする石井監督の演出が冴えている。役者もすごくノッていて、このまま映画が終わらないで欲しい、と思う数少ない邦画。なのになぜ5点じゃないかって?それが自分でも解らなくて石井監督の作品を立て続けに観たんです。その結果は・・(つづく)←ってどこに?(笑) | [投票] |
★4 | ハリウッド★ホンコン(2001/仏=香港=日) | フルーツ・チャンは、いつも路地をすごくきれいに撮る。彼が路地を愛してるのがわかる。『ドデスカデン』じゃないけどこの貧民窟が主人公なんじゃないかな。ハリウッドと貧民窟の対比による大きな空間設定。そういう大きな構図のなかで、フルーツは善と悪では人間は分けられない事を見せてくれる。素晴らしい。 | [投票] |
★4 | ロベルト・スッコ(2001/仏=スイス) | 犯罪の現場ややり口、その繰り返し方は、なんだか犯人の心の中をそのまま表現しているような気がしていたんだけど。これは、犯人が自分自身がどんなヤツか知りたいために犯行を繰り替えしたように見える。心理的説明のない演出と荒れた粒子とスティディカムが素晴らしい撮影に拍手。映像だけで語ろうするフィルムは好きです。 | [投票] |
★4 | 海をみる(1997/仏) | こういう場所から出発したから、『まぼろし』や『8人の女たち』が余裕をもって撮れるんだな、と納得。フィルムで直視できない人は、現実でも目の前のものを直視しないで自分の夢を現実に押しつけているんだもんね。そこから逆に照射されたファンタジーは、深く美しいものになるのかもしれん。 | [投票] |
★4 | シッピング・ニュース(2001/米) | 相変わらずの慎ましい演出が素晴らしい。人が見たいと思う惨劇やカタルシスを見せない、見るひとが想像できる「衝撃」は描かない、という厳しい矜持と寛容さの映画だとおもった。それが島で暮らす人々の生き方だし。それにしても、やはりジュディ・デンチ!彼女の重力ぐらいまぶしいものはないぜ。 | [投票] |
★4 | ムッソリーニとお茶を(1999/伊) | 老人は枯れるもの、深いもの、という思いこみをあざ笑うように、みんな自分勝手だし子供だし(笑)。でもまさにそこに愛情をそそいた映画なのね。シェールが思いの外よかったけど、やっぱり、ジュディ・デンチが黙ってそこにいるだけで放つ輝くような重力が、このフィルムに奥行きを生み出してたとおもうのね。 | [投票] |
★4 | セクレタリー(2002/米) | DominationとSubmissionの関係をゲームではなく、やむにやまれぬ愛情のカタチとして描いているところに、胸を打たれた。意図的ではなく自分への恐れからの放置と、それを理解して受け入れてゆく彼女の強さと喜びが見事に描かれている。説明しないディティール(たとえはランの栽培)も素晴らしかった。 | [投票] |
★4 | くたばれ!ハリウッド(2002/米) | 本のほうが圧倒的に面白かったけど、その登場人物の顔が見られたのは面白かった。プロデューサーというとても見えにくい仕事についての、もっとも分かりやすいドキュメンタリーだろう。ジョン・ベイリーの撮影が素晴らしくて、ついプラス1点。あの神話の屋敷が見られてことも、けっこう好奇心が満たされたな。 | [投票] |
★4 | 御用牙 かみそり半蔵地獄責め(1973/日) | なんてったって、撮影がいい。台詞がいい。そして、勧善懲悪なんてくそ食らえ、というやんちゃさがいい。回りの役者の「演技を見せてます」って演技を風のように受け流す勝新の何気ない存在感がいい。勝新って日本のジャック・ニコルソンみたいな存在だったんだなー、としみじみ思った。 | [投票] |
★4 | さらば友よ(1968/仏) | さりげなく「思いがけない」展開に逸れ込んでゆくのが、いい。だれも自分の意志どおりには生きられない。そういう思い通りにならない状況でいかに振る舞うかを学びました。しかし、これを見ると、役者って、まず、その外観なんだな、と思う。ドロンもブロンソンも、それ以外にない「カタチ」だもんね。 | [投票] |
★4 | 10億分の1の男(2001/スペイン) | 原題は「無傷で」みたいな意味なのかな?不条理劇はやっぱり、美しい映像と存在感ある配役によってその象徴性がリアルに光る気がする。むかしイギリスのテレビドラマ・シリーズで『プリズナーNo.6』ってのがあってすごく好きだったんだけど、それを思い出した。カフカ→マグハーン→リンチ→ファン・カルロス? | [投票] |
★4 | テンペスト(1982/米) | 悲劇と喜劇の境界そのものがエンタテイメントになってて、面白かった。後半のギリシャの島の入り江の、素晴らしく映画的なこと!ここを見つけたから、この映画が可能だ、ってつくったんじゃないの?って思ってしまった。それにしても、ジーナ・ローランズ、相変わらず最高っす。 | [投票] |
★4 | カルロス・サウラの セビジャーナス(1992/スペイン) | 名作『フラメンコ』(撮影ビットリオ・ストラーロ)のパイロット盤のような1時間ほどの作品だけど、もしかしたら、パフォーマンスは、こちらのほうが、熱いかも。あまり計算していない現場のエネルギーがすごく伝わってくる。鏡を巧みにつかった撮影はストラーロのアイディアかともっていたらこの作品でもやってるから、C・サウラのアイディアなのかな。 | [投票] |
★4 | シティ・オブ・ゴッド(2002/ブラジル=仏=米) | 描いている内容は、実話ベースだしとても興味深いものだったけど・・・。前半の夜のサスペンスが、後半の昼のシーンなると、なにか違った映画になってしまっていて残念。サスペンスが持続しなかった感じ。でも、凄惨なシーンやそういう予感に満ちたシーンに、サンバを当てた音楽使いには、哀愁が深くて打たれた。 | [投票] |