★3 | 冒険者カミカゼ(1981/日) | 馬鹿の一つ覚えのように多用されるズーミングや湿っぽい物語と音楽にうんざりするが、ラストの軍艦島のアクションシーンはちゃんと空間を生かした造形がなされており出色の出来だと思う。吹き替えなしの危険なスタントに爆発も大盤振る舞いで大変よろしい。この場面だけでも一見の価値はある、ここ以外はてんで駄目だが。 | [投票(1)] |
★3 | 月下の恋(1995/英) | 確かに映像は美しい、格調高いとも言える。しかしただ美しいだけだ。炎も煙も風もただ画面を美しく彩るものとしてしか機能していない。恋愛にしろ亡霊にしろそれに向き合う際の恐怖や緊張をちゃんと描けなければ映画はただの美しい絵はがきになってしまう。 | [投票(1)] |
★3 | ジュラシック・パーク(1993/米) | そりゃ恐竜CGの完成度には素直に感動したしサスペンス演出も素晴らしいものだと思うのだが、一方でドラマパートはカメラが役者に寄り過ぎで被写界深度が浅く無駄な動きやズーミングも多くてうんざりしてくる。正直恐竜の出てこない場面は全然面白くない。特撮はともかく撮影のクオリティのみを比較すれば同年公開の『REX恐竜物語』『ゴジラVSメカゴジラ』よりも遥かに劣るのではないか。 | [投票(1)] |
★3 | スターシップ・トゥルーパーズ(1997/米) | 全編に渡り明るめで陰影を欠いたぺらぺらな照明、サスペンス性や悲壮感の欠如なども明確な意図があってのことなのだろうけれど、どうもそれが映画としての魅力そのものを損なってしまっているように感じる。それなりに楽しめなくはないのだが、コメディとしてもアクションとしても中途半端。バグのCGは感涙ものの出来でポール・バーホーベンではなくフィル・ティペットの映画としてなら満点をあげてもいい。 | [投票(1)] |
★3 | ゴジラ FINAL WARS(2004/日) | 一見はちゃめちゃなように見えながら実に丁寧に撮られている。それはこの手の映画で多用されがちな手持ちカメラによる画面の揺れが一切見られないことからも明らかだ。 [review] | [投票(1)] |
★3 | ランゴ(2011/米) | あの「西部の精霊」はいくらなんでもそのまんま過ぎるだろう。あくまでシルエットだけ映して声は御本人に…という感じの方がより良いファンサービスになったのではないか。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 沖縄やくざ戦争(1976/日) | 一連の空手映画からそのまま飛び出してきたような千葉真一のキャラクターを見るに、本作はひょっとしたら沖縄版『ドラゴン怒りの鉄拳』になり得たかもしれない作品だ。しかしどうもスタッフにその気はないらしく、いつも通りの実録やくざもので終わってしまっている。もっとも、ブルース・リーほどのカリスマ性はない千葉真一では土台無理な話なのかもしれないが。 | [投票(1)] |
★3 | 博徒外人部隊(1971/日) | これは明らかに沖縄をメキシコに見立てて撮られたやくざ版『ワイルドバンチ』だ。深作欣二にとっては鶴田浩二主演のそれまでの任侠映画との決別の意味も込められていたのだろう。サム・ペキンパー作品のような鮮烈な暴力描写が見られないのは少々残念だが、これはこれで中々面白い作品に仕上がっている。 | [投票(1)] |
★3 | GODZILLA/ゴジラ(1998/米) | 前半は派手で楽しいが、後半失速してがっかりする。いつものローランド・エメリッヒの映画だ。それ以上でもそれ以下でもない。 | [投票(1)] |
★3 | グリーン・インフェルノ(2013/米=チリ=カナダ) | 銃というアイテムは恐怖に対して容易に反撃できる手段であり、多くのホラー映画においてそれを劇中に持ち込むことは忌避されている。しかしイーライ・ロスの作品には現在まですべての監督作において銃が登場しており、このことから見ても本来この人の資質はアクション映画向きなのだと思う。ホラーというジャンルにこだわり続ける限りこの監督の真価が発揮される時は訪れないだろう。 | [投票] |
★3 | マリアンヌ(2016/米) | クラシカルな佇まいと誰もが口にしたくなるような作品だが、映画におけるクラシカルとは具体的には30〜50年代あたりの作品群に似ていることを指すのだとしたら、そうした記述を迷わせる部分がこの映画にはある。それはカラーであることでもCGを用いることでもなく、シネスコでありスタンダードの1.33:1の比率の画面を採用していないことである。 [review] | [投票] |
★3 | レッドタートル ある島の物語(2016/日=仏=ベルギー) | 台詞を排し動きの力だけで最後まで見せる、誠実な作品ではあるし十分面白くもあるのだが、これをサイレント映画的というのは少し違うと思う。サイレント映画の登場人物は無口ではなく普通に喋っている、重要なのはその内容が観客にすべて伝わる必要がないという点である。音楽は大げさで感情を誘導しようとする意図が露骨で興ざめ、地味でアーティスティックではなく派手でハリウッド的な部分が不満。蟹さん萌え映画としては優秀。 [review] | [投票] |
★3 | キング・オブ・エジプト(2016/米=豪) | 製作にも名を連ねているあたりプロデューサーによる押し付け企画ではなくアレックス・プロヤスはどうやら好き好んでこの題材を手掛けたようでそのため50年代史劇に見られるような鈍重さはここにはなく快活なアクション映画に仕上がっている。CGの多用はゲームムービー一歩手前でギリギリ映画の側に踏み留まっている。『ジョン・カーター』のように平凡ではあるが素晴らしい、という評が適切か。 | [投票] |
★3 | BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント(2016/米) | 近年のスティーヴン・スピルバーグ作品の中では一番楽しめたし、やはりこの人のサスペンス演出、映画的感性は凡百の監督とは一線を画しているとは思いつつ、それでもこれでは寂しいというかこの程度ならできて当然だろうという感じである。正直途中で飽きた。 [review] | [投票] |
★3 | 古城の亡霊(1963/米) | 安っぽいしつまらないし、途中で見るのをやめようかとも思ったがラストのあれには流石にびっくりさせられた。このような場面をちゃんと用意できるからこそロジャー・コーマンという人はロジャー・コーマンなのだろう。 | [投票] |
★3 | 白鯨との闘い(2016/米) | 悪い映画じゃない。船という狭い空間を舞台にしていること、そして3Dを意識したためかカメラに被写体が寄ったクローズアップが多すぎるところはもちろん批判されてしかるべき点だとは思う。しかし少なくとも内面・心理ではなく外面・行動を優先して撮ろうとしている。回想形式は映画を停滞させるどころか撮っても映像映えしない場面の省略に一役買っている。 [review] | [投票] |
★3 | パール・ハーバー(2001/米) | かなりいい、マイケル・ベイの最高傑作かもしれない。真珠湾攻撃シーン以降は気持ちのいいほど失速し、やはりこの監督に3時間持たせられるほどの力量はないと実感してしまうわけだが(そもそもこの真珠湾攻撃シーン自体がやたらと長い)。人物の心理描写が薄いのはむしろ美徳である。そんなものを執拗に描かれたなら今よりずっとグロテスクな映画になったに違いない。 [review] | [投票] |
★3 | ラスト・ナイツ(2015/米) | 終盤の殴り込みやその作戦準備の過程などはさまざまなアイデアを盛り込んでいて結構よくできているのだが、人物の苦悩やら大義やらを辛気臭い顔で語り続けるドラマ部分が長すぎて正直退屈してしまう。これを解決するために一人ぐらいはコメディリリーフ的人物がほしいものだ。まあしかし、アメリカで映画を撮ろうがちゃんと紀里谷和明らしい個性が残っているのは立派とも言える。 | [投票] |
★3 | 劇場版 MOZU(2015/日) | 『ワイルド7』を評価したことは間違いではなかったようだ。大迫力のフィリピンロケ、やたら凝った照明、画面に横溢する風・煙・水・火花、そして何よりロングショット・ロングテイクで撮られた銃撃戦・カーチェイス・格闘の数々が日本映画史上に残る完成度であることは疑いようがない。しかし脚本の幼稚さ、あるいは監督の根本的な映画的感性の乏しさが原因なのか、素直に傑作と呼ぶことにはためらいを感じる。 [review] | [投票] |
★3 | ミステリー・ストリート(1950/米) | 結局のところこの映画の素晴らしい瞬間は撮影のジョン・オルトンによるものが大きく、ジョン・スタージェスの演出に見るべきところはほとんどない。ラストの操車場での追跡劇なんかは腕の見せ所だと思うのだがどうしようもなく平凡な出来である。 | [投票] |