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★4ピンクサロン 好色五人女(1978/日)そう、行き着く先は決まっている。どれほどはしゃいでも、踊り狂っても、一期は夢。元いた場所へ帰るだけ。ありきたりな歌謡曲も、こういう風に聴かされると恐ろしくアナーキーに聴こえる。[投票]
★3誰も知らない(2004/日)彼らには不安も恐れもない。ただ漠然と広がる薄暗闇に佇むだけ。世界はその向こう側にある。侵食してくる闇とそれを押し返す光のせめぎ合い。誰もがかつてはそこにいた。そして今も。[投票]
★4老兵は死なず(1943/英)戦争がスポーツだった時代があった。美々しい制服、勿体ぶった儀礼、そして大事なことはいかに敗れるか。壁に飾られる猛獣の首のように、高貴に、美しく…。これが戦時中の映画とは![投票]
★3山椒大夫(1954/日)絵巻物のように美しく残酷に奇跡の物語が語られる。非情の世界。見えない糸に操られる人々。か弱い者の内にある反逆の魂。その純粋さを溝口は賛美する。語り口はやや荘重すぎるが。[投票]
★2デス・アンド・コンパス(1996/英)最後まで観れば、と思いつつ観てもっとわからなくなった。反復される迷宮のイメージ。辿り着く虚の世界を思わせる場所。そこで置いてきぼりを食うのが自分とは…。原作を読むしかない?[投票]
★3煙突の見える場所(1953/日)戦後は決して明るくなどなかった。貧しく、冬は寒く、戦争の傷痕は生々しかった。そんな時代、煙突は人の温もりと営みを示す目印だった。生真面目な語り口。しかし意外にセクシャル。[投票]
★4モハメド・アリ ザ・グレーテスト 1964-74(1974/仏)アリの自意識と黒人たちの意識革命とが激しく共鳴する。個人の精神と歴史の大きな流れが一致した時に見られる、奇跡のような力。そのアナーキズム。ラフなカット割りが利いている。[投票]
★4早春(1956/日)陽光に輝く白いシャツ。遊びに夢中の人々はそのために生まれてきたかのよう。そこに差し込まれる不穏なイメージ。真っ赤な口紅、結核、睨み付ける目。青春の光と影。夏はまだ先である。[投票]
★4サッカー小僧(1974/スウェーデン)「ああ、僕がプロの選手だったら。そしたら…」という子供の夢想は万国共通。70年代のサッカーは牧歌的だった。スウェーデン代表の選手達がマジメくさって出演しているのが堪らなくいい。[投票]
★3女番長 野良猫ロック(1970/日)地平線の果て(?)から現れる女バイカー。荒野のような新宿。乾いたファイト。何処となくマカロニ西部劇風。クールで馬鹿馬鹿しく、気障でいてマヌケ。スカスカなのがむしろ格好良い。[投票]
★3裸足で散歩(1967/米)無邪気で可愛い(美人ではない)ヒロイン。デクノボーの男前。大都会。二人だけの貧乏暮らし。変な隣人。洒落た題と良い音楽。ラヴコメに必要なものはすべてある。砂糖入れ過ぎだが。[投票]
★3パラダイス・ナウ(2005/仏=独=オランダ=パレスチナ)二つの街の天国と地獄のような対比。その間でウロウロしている二人。此処ではない何処かへ行きたいという焦燥が自爆へと行き着いてしまう残酷さ。正気と狂気の境目は限りなく低い。[投票]
★3東京湾(1962/日)東京五輪前の下町を捉えたロケ撮影。駅前の路地にひしめく飲み屋、老朽アパート群、立ち並ぶ煙突、荒川のボート小屋。殺風景だが精力的。明日への希望と昨日までの悲惨が交錯する。[投票]
★4噂の二人(1961/米)子供の悪戯は恐ろしい。時に大人の隠された欲望をずばりと衝くことも。「異常」と言う言葉の邪悪、その甘美。リリアン・ヘルマンの原作らしく、毅然としてpassion(受難・情熱)を感じさせる。[投票]
★4歓びの毒牙(1969/伊)妖艶かつドギツい色使い。グラマラスな美女。狂気を孕んだ建築物。スタイリッシュな音楽。パラノイア的なカメラ。トラウマの迷宮に幽閉された殺人者。アルジェントはやはりアルジェント。[投票]
★3宇宙戦争(2005/米)worldsと題が複数形になっている通り、侵略者は対話を完全に拒否する。悪夢のような終末を、嬉々として(?)描くスピルバーグの暗い情熱。呆気ない結末にも悪意のようなものを感じる。[投票]
★4ごめん(2002/日)神社の朱や空の青の上方らしい優美さ。語り口は飄々として、思春期のもやもやもハンナリと語られる。照れずに打ち込む勇ましさに好感。モテない男特有の幼稚さを感じるのも事実だが…。[投票]
★4ロンゲスト・ヤード(1974/米)「フットボールは人生より重大だ」を地でいく映画。癖のある野郎共の反目と団結。粗暴な振舞いと緻密な戦術。ルール内での鮮やかな悪行。何より大事な「タマ」。実にフットボール的。[投票]
★4犬神家の一族(1976/日)華麗かつグロテスクな語り口で、ある一家の闇の歴史が語られる。血と秘密。畸形的な人間関係。不可解な美学に基づく殺人。泥絵具で描かれたような原作と知的な演出が見事に融合。[投票]
★4ワン・プラス・ワン(1968/英)せっせと悪魔の歌を作るストーンズ。いかがわしくも艶めかしい1968年。ハッタリを利かせた演出、過剰なお喋り、加速するクレーンカメラ…不穏な世相の中、ゴダールの詩情は舞い上がる。[投票]