★5 | チャンス!(1996/米) | 普段抱いている公憤が一気に興奮へと進化し、終始痛快さに酔いしれ、友情と信頼と人の大切さを二人の名女優によって教えて貰えてなおかつ、素直に感動させてくれる素晴らしい作品。不意を突かれた面白さは、一部が作り出した社会の歪んだ閉鎖的価値観が変だから、面白くないはずがない。 [review] | [投票] |
★3 | 夜と霧(1955/仏) | 電流が流れ尽くされた有刺鉄線、血が流れ尽くされた数多くの魂が眠る荒れた大地の収容所。心が嘔吐してしまう映像の連続に惨さが心に染みいる。戦争で産み出される犠牲者の数は今もなお増え続け、残された人々を苦しめる。 [review] | [投票] |
★4 | キャメロット・ガーデンの少女(1997/米) | 子供の頃に出会った赤の他人、大人と接するときに感じ得た気持ちや態度が、そのまま生命力の肥やしになっていくのだということ。醜い面と美しい面を目にした少女と、生きる美しさを貫く男の出会いは残酷なまでに輝いていた。 [review] | [投票] |
★3 | 夢を生きた男/ザ・ベーブ(1992/米) | ジョン・グッドマンが超はまりすぎ。プリティ長嶋も同様に映画『夢を生きた男/ザ・チョーサン』でチャレンジして欲しいと思わせ、春一番など、その後ろに連なるモノマネ芸人の生きる糧となると思われる映画ではないだろうか。エンドロールで「プリティ長嶋、長嶋だけで千葉に一軒家購入」を思い出したのはとても感慨深かったのを記憶している。 [review] | [投票] |
★4 | 目撃(1997/米) | いいや、私も目撃した。イースドウッドが元気爺で健在だというのを。それに反してイーストウッドがセックスを見る側に回ったのを。その矛盾の矛先が格好いいが絵が下手といえば下手な父親に向かったのを。イーストウッドの皺がセクシーに見えるといった嬉しい錯覚が生じた良い映画でした。マジで。 [review] | [投票] |
★3 | 極道の妻たち(1986/日) | 知ってた?読み方は「ごくどうのおんなたち」だぜ。「ゴクツマ」って言ってる奴らをレッツ殲滅!今更「ゴクオンナ」を適当にスパムメールで広めよう!…で、内容というと意外と面白かった。 [review] | [投票] |
★5 | 愛の嵐(1973/伊) | 回想シーンの絶対量が少ない。だが、それが二人の表層の主従関係、ハーケンクロイツの下にある絶対的な愛の凄みを味わい深くし、ただただ圧倒される効果を施している。戦争の功罪を男女で立証してこようとする心意気は恋愛そのものに対する賛歌ではなかろうか。 [review] | [投票] |
★5 | 伊豆の踊子(1933/日) | 音がないと言うことが、これほどまでに作品と役者達の演技にプラスに働きまくるとは。何が起きているのか、何が心にうごめいているのか、その普段見える所と見えぬ所までを映像で表現していく姿勢は映画の基本中の基本でありながら、一番難しい技術であり、魂。それが鎮座している映画にいる田中絹代の表情にご注目あれ。 [review] | [投票] |
★4 | スミス夫妻(1941/米) | 喧嘩するほど仲がよいとはよく言ったもんだ、を実感できる反面、愛に二の足を踏んでいる人が見てしまうと暴発してしまう大惨事が伴う良い映画です。「ノロケるアホに見るアホ、同じアホなら恋せにゃ損損♪」って感じは多分永遠に好きだなぁ。 [review] | [投票] |
★5 | 原色パリ図鑑(1997/仏) | 凄く面白い藁しべ長者ver.フランス。単に成り上がりの男の話だと思わせておきながら、笑い有り、社会風刺有り、そしてラブロマンスを含めた全てを愛の真理で心包み込んでくれる。宗教を軸に展開される原色のパリを堪能してください。(ちなみにホロリ泣きました。躊躇無く「…愛って素敵」と、つぶやいてしまう映画ランクAAA+献上。) [review] | [投票] |
★3 | ロビン・フッド(1991/米) | おおざっぱりしたラストは納得いかない。果たしてケビンコスナーは何を守るヒーローを演じたのだろうか。農民?国?懐?それとも髪の毛?まったりした内容にふっさりしたケヴィンコストナーの髪の毛が全てを物語った非情に分かりやすいもっさりした映画。 [review] | [投票] |
★4 | 我が家の楽園(1938/米) | 驚愕…。あまりにも楽天すぎるジジイが小憎らしく思えてしまう自分の内面に、リズム感に欠けた音痴な非人間的現代社会の暗部を照らされているようだった。隣の元気な芝生に嫉妬するかしないかを確かめるリトマス試験紙なのかもしれないと思うと、とてもキュートな映画だと思う。 [review] | [投票] |
★3 | あげまん(1990/日) | 伊丹十三が、リアルあげまん宮本信子に捧げた「ありがとう」を込めた作品なのだろうけど、逆に伊丹十三が“サゲチン”となってしまい、宮本信子が持つ女優としてのオーラを格下げしている印象は一生ぬぐえない。 [review] | [投票] |
★4 | グッバイガール(1977/米) | 心温まる展開と心休まる結末が上手く合わさった惚気話にイライラするところなんてナッシング。細分化されていく社会と家庭像の定義の混迷を打破できるのは“愛”ってのが作品の本質に内包されていて文句なしでイイ。 [review] | [投票] |
★2 | ボーイズ・ライフ(1993/米) | 同じシングルマザーという設定で、さらに展開がこの作品と似通っているマーティン・スコセッシの『アリスの恋』(1974)を先に見て免疫を持ってしまえばどってことない平凡な話。この監督も見てただろうに、もったいない。デニーロとデカプリオの演技が。
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★3 | ネットワーク(1976/米) | 筑紫哲也も神秘のベールを脱いで、光り輝きながら多事争論をやったら視聴率が凄い事になるだろうと強くイメージ出来た。が、「筑紫さんはやらないだろうな」も同時にイメージ出来て「小倉智昭だったらマジでしそう」をジワジワ感じた。 [review] | [投票] |
★5 | 家族の肖像(1974/仏=伊) | 正当なのだが、どこか気恥ずかしさを感じる「私たちは皆、宇宙船“地球号”の乗組員!」てなアンニュイ文字の配列のキッチュなスローガン。それを創作した後は隠居、ではなくて、その後が大事ってことを教えてくれる作品。 [review] | [投票] |
★2 | 愛の選択(1991/米) | ジュリア・ロバーツが「荒ぶる女性を演じる技術」に関する全ての特許でも取ったかのように、この作品も毎度おなじみのプリティウーマンチック全開でジュリア・ロバーツ祭り。演出面で発見を垣間見られる瞬間がない分、新旧のジュリア・ロバーツ出演作品を思い出せる瞬間が満載。
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★3 | 沈黙の戦艦(1992/米) | 「何故コックなのか?」それは食えない素材の悪者どもを料理するからだろう。それは分かるが、ヒロインはエリカ・エレニアックじゃなくてブルック・シールズだったら完璧だった。展開が割と楽しかっただけに、大味な格闘よりも隠し味が欲しかった気もする。元ネイビー・シールズだけに。 [review] | [投票] |
★3 | 緋文字(1972/独=スペイン) | 「とりあえず完成しました」作品をモロに脳内で鑑賞。監督自身がそうであるように見てて失敗している雰囲気は十二分に満喫できたと思う。が、本物の巨匠というのは失敗作を失敗作として終わらせないで次に活かすのが巧いを再確認できる映画ではないだろうか。 [review] | [投票] |