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[コメント] あゝひめゆりの塔(1968/日)

爆撃が止むとさっきまでのようにキャッキャッと笑い出す女生徒たち。また爆撃、そして笑い声。悲痛な出来事は異常時のことと思う(→信じる→願う)から日常へ帰ろうとする。波のように繰り返す明暗が痛ましい。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







友の訃報を聞きショックを受けていると、その直後、校長先生たちが生還してきて「わっ」と歓喜の輪が開く。ひとつひとつの感情にピリオドをうつことさえ許されない、ということの残酷さが伝わってくるシーンだった。このように感情をなぶられ続けられれば正気を保つことなどかなわないだろうと思う。手榴弾で自決しようとする時の女生徒たちの、その動作を行っている間の表情の虚無さは、もっと悲しい表情をするもんだと思っていた私の想像力では追いつかなかった。開巻で批難されていた当時の若者、端役の若い俳優でも想像できていたことが、私には想像できなかったということは恐ろしいことだった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)IN4MATION[*] 寒山拾得[*] けにろん[*] sawa:38[*] 水那岐[*]

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