[コメント] 花とアリス(2004/日)
「セカチュー」に続き、バカにして見たらまたしてもやられた。岩井俊二ってこんなに脚本上手かったの??お父さんのエピソードにグッときた。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
岩井俊二も鈴木杏も蒼井優も好きでもないんでもないのだが、噂の紙コップバレエってのが見たくて鑑賞して見ました。
紙コップバレエに関しては他の皆さんの批評に譲るとして、私がこの映画で感心したのは脚本のうまさだ。
基本的にこの映画には説明台詞がほとんどない、アリスは母親役である相田翔子に対し一度も「お母さん」とは言わないが、散らかりっぱなしの家の中と、恋人に対し他人の振りを装ったことでそれを説明してしまっている。
父親の平泉成とのやりとりでも、別れ際まで「パパ」とは言わない。しかし、会話のやりとりでそれとなく親子がわかるようになっている。しかも、その親子であることのエピソードに「トランプ」と「ところてん」の「中国語」などの小道具まで忍ばせいる。
アリスが郭智博をウソデートに連れて行く場所は、全て父親との思い出の場所であり、それがアリスの父親に対する愛情の深さを表しているのだが、これみよがしな見せ方でないぶん、しみ入るように柔らかい、イイ表現になっている。
これまで岩井俊二を”映像だけ”の作家だと思っていたが、とんだ思い違いをしていたようだ、これだけの自然でかつ小道具をキッチリ使いこなせる脚本家はそんなにいやしない。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (9 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。