[コメント] 華氏911(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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これは、アメリカ人のための映画だ。ブッシュに投票してしまったアメリカ人たちが過ちに気づくように、彼らに向けてわかりやすく発されたメッセージだと解釈した。「戦争は失業問題を解決はしない」「戦争に行けばあなたの息子も死ぬかもよ」というわかりやすいメッセージ。
アメリカは外交カードに「人権」をよく使うけど、もしアメリカが本当に人権に配慮する国であれば日本に原爆を2発も使うわけがない。ベトナムで枯葉剤を使うわけがない。イラクに劣化ウラン弾を使うわけがない。(でも、実際には使用されているわけで。)
私がこの作品のなかで気になったのは、若い兵士が死ぬ理由、「何のために?」を要求しているところだ。それは裏返せば、理由−−−例えば大量破壊兵器の保有とか、人権を侵害しているとか−−−理由さえあれば軍を派遣してもよい、貧困層の兵士は死んでもよいということになる。なんだ、ムーアも結局は戦争支持者なんじゃないか。ちょっとがっかりだ。でも、もちろんそんなことで彼を非難したりはしない。むしろ、もっと突っ込んでいろいろやってほしい。
ちなみに、日本に原爆が投下された理由は、「戦争を早く終わらせるため」。日本がアジア諸国を侵略した理由は「アジアを欧米から自由にする」。 私たちは「理由」を真っ先に疑ってかからねばならない。
監督、次回作は肥満との因果関係についてマクドナルドへのアポなしインタビューをお願いします。
(21/08/2004 市川コルトン)
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