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[コメント] 燃えよドラゴン(1973/米=香港)

映画における「美意識」というものを一気に転換させてくれた傑作。
甘崎庵

ここでのブルース・リーは本当に格好良い。何が格好良いか、勿論、あの顔の歪みだ。

映画で言う「格好良さ」というのは、本来整えられた舞台で「自分を完璧に演じる」ことだと思っていた。それは今でも変わりがないけど、一方で、この人に限っては、それが当てはまらないことをも痛感させられた。

とにかくここでのブルース・リーは顔を歪めまくる。怒りの表情、悔しさの表情、そして敵とぶち当たる時の気合いを込めた表情。感情が露呈した時、彼の顔はまるでパースが狂ったのではないか?と思えるほどに歪んでいる。しかも、その顔がたとえようもなく格好良いのだ。特に戦いの時、奇声を上げつつ超絶的な動きと相まって、あの表情は一度観たら忘れられないほどの格好良さだった。

時折にっこりと笑う時の、あの屈託のない笑顔と戦いの時の怒りに歪んだあの鬼気迫る表情。このギャップが、ブルース・リーの魅力の一つであることは、間違いがない。

そしてあのとびっきりの音楽。今でもあの音楽を聴く度に、身体に流れる血液が沸騰するかのような、そして新陳代謝が急激に高まったような、もの凄い興奮を与えてくれる。体を動かさずにはいられない。未だにそんな気分にさせてくれるこの音楽は、永久に残すべきだ。

変な機材など必要がない。ダイエットをしたいと思う人、身体を動かさねばならない人は、CDを買ってこれを聞け。絶対に効果がある。

(評価:★5)

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