[コメント] プリティ・リーグ(1992/米)
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作品はそのように締めくくられていったが、それは物語的な脚色で、結局色物扱いだったんじゃないのかなあと思っていたら、エンディングで婆さんたちが野球をやっているシーンを見て驚いた。軸を鋭く回転させての打撃、挟殺プレーでの走者の追い方、低めを見送る時の姿勢。老婆がそのような動作をしていることの非現実的なこと。どれもこれもフォームが本物。特に説明はなかった(と思う)が彼女たちこそ往年の本物のウーマンリーグの選手たちに違いあるまい(じゃなきゃ誰よ?)。
老人にしてこの動きであれば、スピードのあった現役時代の彼女たちのプレーは、普通に「見せる野球」としてなかなかのものだったと思う。戦争で男の選手が不足するという不測の事態に、すぐさまこれだけの人材が揃う層が存在していたということは、いかに多くの全米の野球バカ親父が娘にキャッチボールをさせていたかということもわかって微笑ましいのだが、機会が与えられなければ日の目を見ない「才能」というものがいかに多く存在するのか、ということもまた改めて認識させられる。さりげなく描かれるが、グランドの外にこぼれたボールを強肩で投げかえす黒人女性がいた。ウーマンリーグの彼女たちよりも更に機会を阻まれていた存在もいるということを上手く表現していたシーンだった。(本家メジャーリーグでさえ、人種の制約をとっぱらって、初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンが誕生するのが、まだこの数年後のことになる。)
女優陣もかなり訓練したと見え、思ったよりもいい動きを見せてくれた。ジーナ・ディビスのバッティング、マドンナを始めとする外野陣の背走しながらの捕球。小柄なロリ・ペティが全身を使って投げ込んでいくフォームも良かった。
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