[コメント] ALWAYS 三丁目の夕日(2005/日)
ただただ「昔は良かったな〜」という凡百の懐古調ノスタルジー映画ではなく、万人の胸に染み入る普遍的なものがこの作品には描かれている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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現代では失われがちな、人と人とが触れ合うことによって醸し出される温もりは描きつつも、そこにたどり着く過程なり、その時代の中でも捨ててきたものの姿を丁寧に描いています。前者は空襲で13年前の奥さんと娘を失った宅間先生(三浦友和)、後者は冷蔵庫が普及したことによって失業した氷屋さん(ピエール瀧)です。その要素がアクセントになって、物語に深みを与えています。
老いも若きも含めて役者陣の演技や表情も素晴らしい。純朴そのものの堀北真希。普段は物静かで知的な役が多かったのに、短気で直情型の堤真一。慈愛に満ち溢れた薬師丸ひろ子。うだつのあがらない吉岡秀隆。子供達も美形がそろっていなくて、今にも鼻たらしてそうな感じです。
また、精細なCGが必要最低限かつ非常に効果的に使われています。山崎貴が今まで手がけてきた『ジュブナイル』や『リターナー』はCGがどっかりと物語の中心に据えられているというか、CGがこうるさい感じがしたんですけど、今作はあくまでも話を盛り上げるための小道具としてのCG。正しいCGの使い方とは本来こういうものだと思います。
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