[コメント] 狂った果実(1956/日)
鮫の如くヨットの周りを徘徊するモーターボート。そこから巻き起こる怒涛のカット割り!!中平康の映像センスが素人俳優達をスターへと導いた。ウェイターに外国語で話しかけられた岡田真澄が「焼酎ある?」と尋ねる台詞がオモロ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
効果的なクローズアップ。ヨットの中で抱き合う北原三枝と石原裕次郎を、覆い隠すかのようになびく帆を上から捉えたショット。そして怒涛のラスト。海に飛び込んだ北原三枝と石原裕次郎の乗ったヨットを襲うモ−ターボート。そのシーンのカット割りの凄まじさ!!僅か2週間と少しで撮った作品らしいが、随所に光る技巧派中平康の神がかり的な演出が素晴らしい。
見事なファム・ファタル(運命の女)ぶりを見せつける北原三枝を除いて、裕次郎も津川も演技と言えたものじゃない。素で演じたであろう裕次郎の不良ぶりはまだ見れるとして、横顔は兄貴(長門裕之)クリソツな津川雅彦の純真爛漫ボンボンぶりは、今見ると違和感ありまくり。
しかし、映画が進むに連れて、裕次郎や津川の演技が上手く見えてくるから不思議だ。話に引き込まれたのか、中平康演出のなせる業か、本当に撮影中に芝居が上手くなったのかわからないが。
また、石原慎太郎&長門裕之という主人公の両兄貴が不良役で特別出演していて、お互いの名前(石原、長門)を交換した役柄で出ているのは粋な計らいですね。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (8 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。