[コメント] ブラック・クランズマン(2018/米)
最後の最後で本作の印象は一変する。70年代のアメリカの物語であっても、極めて現代的な映画だ。さすがはスパイク・リーと言うべきか。
KKKの入会式のシーンでの「アメリカ・ファースト!」の唱和に気にはなったが、まあ一握りのスパイスかくらいに思っていた。
それが最後に明確に意図して撮られたシーンだと鮮明になる。そういうやり方が映画としてどうなのかという点で議論はあるとは思うが、一方でそうまでして言いたいという監督の現状認識は深刻な現実の反映として理解できる。
コメディタッチではあるが、その底流にあるものはシリアスな現実であり、そのことがなおさら鮮烈な印象を残した。
ところで本作の最後のあたりで廊下を銃を構えて進むジョン・デヴィッド・ワシントンとその彼女の上半身がアップになった。そのシーンではまるで二人が台車に乗って移動しているように背景は動くが二人の上半身は微動にしなかった。
どっかで見たなあと思っていたが、シネスケでスパイク・リー監督の作品を調べてわかった。2006年の『インサイド・マン』でまったく同じように台車に乗ったかのように上半身を動かさずに急いで駆けつけるシーンがあったのだ。
ちなみにその時にアップになった俳優はデンゼル・ワシントン。なんとジョン・デヴィッド・ワシントン はその息子だそうな。なんか思い入れがあるのか、リー監督は。
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