[コメント] ゴッドファーザー(1972/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
オールナイトでパートIIと立て続けに観て衝撃を受ける。
社会人になってから口の悪い先輩に「お前の着てるスーツはミキハウスだろ」などと言われたほど私はチビだ。アル・パチーノとたいして変わりは無い。そうだ男は身長じゃない、そう思った大学生の頃。私は強烈にこの映画に憧れた。
まず形から入ろうと考えた私は、黒いコートに身を包み、ファミリーの皆と同様の「帽子」を入手すべくデパートへ。しかし、鏡の中に写った帽子をかぶった私は、どこをどう見てもアル・パチーノではなく伴淳三郎だった。ファミリーに加わるのは断念した。
「男は顔じゃないやい!」
そう無理矢理自分に言い聞かせて生きていくことになったという意味においても、私の人生を変えた一本である。(オイオイそんなオチかよ)
(追記)
上記「マイケルになりたかった大学生の頃」以来、実に15年以上ぶりにスクリーンで鑑賞。嬉しい。 その間、ビデオやテレビや果ては「ゴッドファーザー・サーガ」なんていう「コッポラは自作の良さが分かってないんじゃないか?」みたいなもんまで含めて何度も観ている。 でも嬉しい。スクリーン鑑賞はすごく嬉しい。嬉しすぎて涙が出てくる。
冒頭、パラマウントのタイトルバックに流れ始めるメインテーマ(<愛のテーマではない)。 ♪チャーラララーラ、ララー♪(<チャルメラではない) そしてお馴染みのメインタイトル。
上映からわずか10秒。もうこの段階で泣いている。
陽光の下の結婚式。(俺には)お馴染みの顔、顔、顔。泣いている俺。光の対比としての影である室内。真上から照明を当てた陰影の濃い画像に泣く。 次々と出てくる数々の名シーンに泣く。 終いには、マーロン・ブランドが「もういい」という風に手を振るだけで泣き、ロバート・デュバルがアル・パチーノに耳打ちするだけで泣く。当然ラストシーンでは号泣している。
この映画を観たことの不幸は、他のギャング映画ほとんど全てがヒドクお粗末に見えてしまうことだ。でもそれはこの映画を観たことがない不幸よりもずっとずっとマシだ。
「最初に会談を持ちかけてくる奴が裏切り者だ」←一度は使ってみたい台詞だ(<どんな日常で?)
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