[コメント] がんばっていきまっしょい(1998/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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巡る季節の変わらぬ美しさ。しかしその中で絶えず変わり続けていかなければならないのが、人間であったりする。儚いからこそ、失われてしまうからこそいとおしい、あたかも線香花火みたいなものが「青春」と呼ばれる大切な時間なのではなかろうか。たとえそれが滑稽で不器用な輝き方であったとしても。こういう変わらぬものの中での、変わっていくものの儚さ(無常感みたいなもの)って、とても大切にしたい日本的な感覚だと思う。
しかしいつ青春と決別するかは人それぞれ。いつまでもくすぶり続けている人がいてもおかしくない。彼女たちを通して、青春の不器用さに嫌悪するあのコーチも、そんな一人のような気がする。ラストで彼女たちにエールを贈るコーチを見て、結局はそんな不器用な輝きのかけがえのなさを知り、そっと心にしまい込めた時、初めて終りを告げるのではないのだろうかと、そんな風に思えた(余談ですが、自分のコメントも含めて、『ゴースト・ワールド』へ皆様が寄せたコメントreviewが、なぜか頭を過ぎりました)。ともあれ、ひたむきな強い光とくすぶり続ける光という対比が印象的。
田中麗奈のアイドル映画としても、かなり手堅い出来栄え。さりげないようで、ポーズの取らせかたも結構したたか。モテ筋のクセして、イマイチ自分がモテてることに自覚がなく、しかも女の子に対して不器用さを発揮する相手役の男の子、ぶっきらぼうなフリして中身が意外と熱い子、家庭環境ゆえに引っ込み思案な子、等など、主役の強情っぱりで真っ直ぐな魅力を引き立てる、適度に色をつけたキャラ配置も手堅い。しかも5人組にちゃんとオチを一人入れているトコロも。コレって間違いなく男の発想(やや苦笑)。
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