[コメント] ベティ・ブルー/愛と激情の日々(1986/仏)
「ベティ・ブルー」という景色。
ファッション雑誌の映画特集なんかで、モデルや女優の好きな映画の上位にいつもいる。
最初はそんな印象だった。このごろ時間のある時はよく映画を見る。何週間前、遅ればせながら私も「ベティ・ブルー」を見てみた。
何だこの女は、という気持ちから入って、途中から自分に重ね合わせ、最後にはまた離れていく。花火みたいにパッと画面が明るくなると、次の瞬間には真っ暗闇に放り込まれる。そしてラストはものすごく暗い。見終わった直後は重い吐き気を感じた。グロテスクな映画でもご飯食べながら見れる私が、なぜちょっと重めのラブストーリーでこんな気分になるのか不思議だった。
それから何週間かたった今「ベティ・ブルー」のことを思い返すと、心に浮かぶのは美しい情景ばかりだ。最初の家が夕焼けの中で燃えてるシーン、2人が薄暗い部屋でピアノを鳴らすシーン、広い高原の日没前。あんなに嫌だった映画が懐かしくさえ感じられる。
何度か人と付き合って、で別れて、そういう出来事を思い出す時に似てる。別れた頃はあんなにむかついたり悲しかったり嫌だったりした思いは、今振り返るときれいな情景でしかない。
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