[コメント] ペイルライダー(1985/米)
美しい。ただただ美しい。ブルース・サーティーズのローキーの美しさには何か麻薬的なところがある。希代の傑作である。『シェーン』等とは比べ物にならない映画的な画面に満ちている。それはフィルムへの「斜面」の定着を見ても明らかだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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イーストウッドは『ラスト・シューティスト』と同じ1976年に『アウトロー』を撮り、以降約10年間西部劇を離れる。それはイーストウッドの師ドン・シーゲルに対する、そして西部劇というジャンルに対する慎みだったのだろう。そして作られたのがこの『ペイル・ライダー』だ。我々は『ラスト・シューティスト』で死んでしまった西部劇の復活に立ち会うのだろうか。そんな期待をもって映画館へ足を運んだ。しかしそこで描かれたのは「西部劇の復活」などでは無く、まさにに一度死んだジャンルの「亡霊」に他ならなかった。しかしそれはすこぶる面白い、活劇性に富んだ「亡霊」だ。
これはジャンルを超越した傑作だろう。『許されざる者』も恐るべき傑作だが、この『ペイル・ライダー』の素晴らしさは『許されざる者』よりも上を行く。
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