[コメント] ソドムの市(1975/仏=伊)
期待ハズレ。全然「凄く」はない。吐き気がするだけ。それだけ。
今まで見た事の無いような価値観が体験できる物だと期待したが、全然。どこにも、善悪を超越したような崇高さは感じられない。「美」とか「高尚」とか言っているが、これは単なる「善」や「道徳」に対する反対物であり、それらの対立を超越した「美」や「芸術」はない。この映画を見て催す不快感は「道徳心」や「倫理観」からくる精神的な物ではなく、汚い物を見たときの生理的な不快感である。安物のスプラッターと何ら変わりは無い。あれほどの権力を持っているのに、やることがあの程度では人間のイマジネーションの限界を感じざるを得ない。汚い物を見せて観客の精神に不快感と言うマイナスのベクトルへの大きな影響を与えることは“誰にでも”出来る。表現者が人に与えて称賛されるべきはプラスのベクトルへの強いインスパイアであるべきだろう。これは個人の価値観の問題かもしれないが、性欲はともかく、スカトロと拷問には美的なものは感じられない。結局、この映画は「常識」の重力から解放されていない。あくまでも、人間の道徳的価値観に反抗しているに過ぎず、それらを無視することが出来ていない。本当に期待ハズレ。2000/5/13
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