[コメント] スペース カウボーイ(2000/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
きちんとした訓練を積んでテストに合格した以上、彼らはプロの航空士として何でもできるわけだ。もうその時点で「老人である」とか「婦女子である」とか「子供である」とかは関係ない。シャトルの乗組員が全員女性でも、彼女たちがプロなら別に驚きゃしない。「老人が宇宙に…!」って前ふりは、彼らがきちんとテストに合格した時点で終了してしまう。彼らが宇宙へ旅立つシーン、あるいは、船外活動で地球を足下に眺めるシーンをもって、敗者復活のドラマは終わってしまう。でもそれは前半に過ぎないのだ。ここからちょっとこの作品のテーマがわかんなくなってしまった。後半のミッションシーンで何を語ろうとするのだろう?
老人であるがゆえに引き起こしてしまう失敗なんて、期待する時点でもうファンタジーだし、逆に、彼らの経験や達観が最新の設備や知識を超えて問題を解決する様を描いても、それは年齢とかいう以前の個人の資質の問題だと思う。つまりプロであるということの前に「爺さん」だとか何だとかは関係ないよなあ、と思うのだ。事実、地球を破滅に追いやるような凄まじい展開になってしまったミッション・インポッシブルを見ていて、彼らがトム・クルーズであってもちっともおかしかないな、と思った。んー?つまり、つい前半見ているうちに、勝手に再起に賭ける人間のヒューマンストーリーのように思ってしまったけど、これは「俺たちはあんな若造(トムも中年だがね)には負けねえぜ」っていうだけの娯楽作だったっていうことなのか? でもそれならわかる気がする。
余談だけど、イーストウッド監督って『許されざる者』とか『真夜中のサバナ』とかちょっとジャンルで括りにくいような作品作りをするよね。他の監督だったらシリアスとかコメディとかもっと「路線」を意識するように思うし、観客も「どういう映画」なのかわかって観られるように思う。
最後に一句。
フィジカルな ハンデもなんの 無重力
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (7 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。