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[コメント] サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS(2001/日)

本当に後悔して泣く時、あんなふうに涙が出る。奇異な設定や無理もいっぱいあるけど、大切なところをしっかり押さえた気持ちの入った作品だと思う。
パッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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楽しめる日本映画の一つの形だと思った。

日本映画の好きなところは、心の動きや感情の表現力にある。 この映画もそれぞれの人の心の動き、感情の波を丁寧に表現できていると思った。脇役のひとり一人を軽んじていない。看護婦もSPも酔っぱらいもみんな心を持った人として描かれている。本広監督は、興行成績を意識した受けねらい的なところを言われがちだが、こういった人間を大事にした姿勢は大好きだ。

一方、確かにくどいくらいのドタバタがたくさん入っている。 テンポが良くて、飽きさせない演出と裏腹ではあるが、これも特徴の一つだ。飽きさせない演出にはカメラワークの工夫が大きく貢献していると思う。

そしてなんと言っても八千草薫さんだ。 この人の演技が全体を包んでくれていることで、この映画の雑なところや矛盾だらけのところも大した問題に思えなくなる。

心の動きを巧みに表現した秀作は日本映画に多いが、近年の作品には、楽しめる演出やテンポの良さと両立しているものが少ないと感じる。 そういう意味では、両面をなんとか調和させた一つの形だと思う。

私事だが、最近、本当に後悔して泣いた。大人になってから、身内以外の人を亡くして初めて泣いた。一人で運転しながらだけど、確かにあんなふうに泣いたと思う。あんなふうに何度も後悔の念が襲ってきたし、ずっとその思いは尾を引いている。終わり頃でガンの治療薬の開発に向かうのかと思ったが、病院に残ったことは、強い後悔の気持ちを持つ者として正しい選択だと思う。

(※最後の段落は、全くの私事で何を言ってるのかわからないと思います。すみません。)

(評価:★5)

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