[コメント] アメリ(2001/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
昔喫茶店でバイトしてました。
いつまでたっても仕事覚えられずにヘマばかりしてよく怒られました。
そのうちそのヘマをねたにして笑われるようになり、
僕はいじられキャラになっていきました。
もちろん、僕はそんな自分の立場が不本意でしたが、
本来不器用だし、頭の回転も悪いので、
その立場を覆して他のキャラになる、
ということもなかなかできませんでした。
だから、バイト続けるには、とりあえずしんどいけど、
笑われ役、という立場を維持していくしかなかったんです。
当時バイト仲間だった、小説家志望の女の子は、
そんな僕をネタにして小説を書きました。
彼女の小説の世界では、僕(と思われる人)は、
店主から虐げられてもただ黙って従う心優しい青年で、
主人公の女の子は、そんな青年の姿に、やがて心ひかれていく、
というようなストーリーでした。
彼女はその小説を僕に見せてくれました。
僕はそれを見てかなりひきました。
僕をもとにした小説であれ、
僕はそんなイノセントな存在ではありません。
そして、自分がはっきりと、可哀そうな人、
というレッテルを貼られたようで、
やりきれなくなりました。
そして彼女は、それを店長にも見せていました。
それは、自動的に店長への抗議の意味にも結びつくだろうと思います。
そのような、彼女がその小説を書いて、見せた意図、
というのが、少なからず僕を不憫に思ったことが関係
しているのだろうかと思います。
(僕に好意を持ってくれているということも
なんとなく感じていました)
でも僕はなんとも思いませんでした。
むしろギリギリのラインで頑張る自分
を否定されたようで、
嫌悪感のほうが強かったです。
うまくいえないけど、
この映画を見て思ったのはそういうことです。
彼女のように、自分の理想を相手に投影して
(それはたぶん可哀そうな人のほうが向いてるんでしょう)
相手に近づくけど、結局裏切られて離れていく。
理想化されたほうはいい迷惑でしかなくて、
たぶんけして救われません。
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