[コメント] マルホランド・ドライブ(2001/米=仏)
このようなことばがあるとして、リンチは悪夢を見る天才であり、それを観客に追体験させる天才。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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『ツイン・ピークス』をテレビで観たときの感動を劇場体験できるなんて。最初のあの時代錯誤気味のダンス・シーンを観て、これはやってくれるなと直感した。そしてその直感はものの見事に的中した。
この映画の何がすごいって小ネタ満載、その凝りよう。カメラワークや音楽など映画の持つテクニックを十二分に使ってそこだけでも十分記憶に残るようにしている。特に僕がそう感じたのは役者を目指してベティが空港に降り立ったときに見せる笑顔とそれに被さるアンジェラ・バダラメンティの音楽。観終わってからそのシーンを思い出すと無性に切ない。
後半からは夢の世界に没頭して、ただひたすらこの居心地の良い世界に浸るだけの自分がいた。そしてもうこのまま終わらないで欲しいと願った。
ここには謎がある、でも夢なんて本来辻褄があわないもの。だからリンチはこう言っている様にも思えた。解釈はご自由に、でも答えはないよ。僕には愛の映画だと映った。
このままずっとこの世界に浸っていたいと思った理由は劇場で観たからなんだろうなあ(僕はあまり劇場に行かない)。そしてそれが出来た自分は幸福な時間を過ごせました。
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