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[コメント] ビューティフル・マインド(2001/米)

ああ〜〜、うそだろ?(以下完全にネタバレ)
ジョー・チップ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







チャールズ!お前はいないのか?酒を酌み交わしたり、励まされたり・・・君の励ましのおかげで経済理論の論文書いて教授に認められたんだよね?あのとき君は陰で「やった!」とガッツポーズしてくれたね?そんないい奴が、そうか・・・。エド・ハリスも強引な男だったが、敵(幻覚だけど)が襲ってきたときには体を張って助けてくれたじゃないか。やっぱりいい奴だったんだよ。                                            彼らがいい奴なのは当然で、ジョンの妄想である以上ある程度、当人に都合がいい存在なのであった。後半はジョンの闘病と妻の献身にドラマは移っていく。しかしながらジェニファー・コネリーの演技は素晴らしいものだが、いかにしてジョンを支えていったのかが説明不足で、今一つ感動を呼ばない(本当は一度離婚してるとかで、やっぱりその辺が原因だろう)。逆にジョンの幻覚たちに対する態度がだんだんよそよそしくなるのが妙にさびしかった。そりゃー病いから立ち直るのが目的だから仕方ないが、心なしか、チャールズの性格が悪くなっている気がする。いかにも「正体を現した」という感じである。ジョンを妄想の世界に誘惑しようとするチャールズ、悪魔よ去れ!とばかりそれを振り払おうとあがくジョン。                                        結局、ジョンは復帰しノーベル賞を授与されるが、わたしが見た限りではこの辺の経緯も説明不足だ。あれよあれよと年とって何時の間にか学生たちと語り合ってああ社会復帰したんだねって・・・ちょっと違うと思う。もっと劇的な復帰のきっかけが絵的に必要なんじゃないか?どうも後半は決定的なクライマックスを欠いていると思う。それが史実との兼ね合いからそうなったとすると、やはり実話としての映画化ではなく純然たるフィクションにした方がよかった。とにかく正直に言うと、わたしは前半の方が面白かった。いいシーンはたくさんあるんですよ。結構大掛かりな秘密基地のシーン(やはりこういうのははずせない)、例の万年筆のシーンとか、星をつなげて傘のカタチになるとか・・・                                                こういう展開を期待していたんです。復帰したものの、新しいテーマの解決に行き詰まっているジョン。ある夜、決別したはずのチャールズが出現。「またか、もう来ないでくれ!」「いや、すぐ帰るからよ、でもこれを見てくれ。」彼は夜空の星を指し示す。ひとつ、またひとつ・・・それをたどってジョンは驚愕した。それこそ彼が捜し求めていた数学理論のカギとなる図形だった。「なるほど!そうか!」「な、俺がいてよかっただろ?」「待ってくれ、チャールズ!俺が悪かった!」「じゃあな〜」暗闇に消えるチャールズ。その後ジョンはノーベル賞を受賞する。万来の拍手で迎えられた会場に、もはやチャールズはいませんでした。                               

(評価:★4)

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