確かにテーマ的に根強い問題を含んでいることはわかりますが、それにしてもキャラを増やしすぎたのではないでしょうか。妙に（誰かに）気を使っているような、作り手が答えを出すのを意図的に避けているような気持ちの悪さを感じました。

特に筒井道隆の役。俺はあえて「必要無し」と言います。

これは編集の問題も多分にあるとは思いますが、彼の話が中途半端に入ってくるせいで、その度にサスペンスに引き込まれていた感情が引き戻されてしまいました。彼の役に時間を割く分をメインキャストの背景に費やしたほうがすっきりしたでしょうし、彼の役を活かすのならば彼のあのラストシーンでは足りないでしょう。もっとも、その後の彼を描くのならば韓国のメインキャストの最後をまずきちんとしないといけないとは思いますが。

例えば「ＪＦＫ」などもキャストはべらぼうに多かったのですが、ケビン･ベーコンなどのサブキャストはポイントポイントで比較的集中して出てきていたこと、彼の言動が話の軸に関わるものであったこと、何より圧倒的に主役に時間を割いていた事などで話の中心線がはっきりしていたのに比べるとやはり全体的に薄味になっていた感じがします。

役者さんそれぞれの演技は素晴らしいし（特に江波杏子さんと原田芳雄さん）、布袋さんの音楽も予想以上（失礼！）にマッチしていた分、作品としての出来に少々不満が残ったのが非常に残念です。

それにしても観た後トイレに行ったらいつもの如く見終わった人でごった返していたのですが、その平均年齢の高いこと高いこと。はっきり言うと御年配の方ばっかりでした。

もっと若いヤツも観に行こうぜ！

あ、俺もオッサンだった・・・。