[コメント] 春の日は過ぎゆく(2001/韓国=日=香港)
どうということのないストーリーが一本の映画に仕上がっている。韓国映画界の底力を示す佳作。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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音が重要な位置を占める作品である。それはけっして押し付けがましい音楽ではない。静謐な映像に寄り添う簡潔な音だ。こんな映画はほとんどない。
イ・ヨンエはいろいろな表情を見せる女優だった。『JSA』では何をしたいのかよくわからない役だったが、この作品では独特の存在感を放っていた。
全体的に見て妙にリアルな作品だなあと思った。特にユ・ジテが始めて彼女の家にお泊りしたときの流れはビックリだ。独り暮らしの女子の家に上がってからあんなことやこんなことをするに至るまでの行動は日本も韓国も似たようなもんなんだなあと思わされた。
また彼が車に傷をつけるシーンも秀逸。彼の無力感が力いっぱいに伝わってきた。ここで感情をもっとわかりやすい方法で爆発させるという演出も有り得ただろうが、このような陰湿なやりくちのほうがこの静かな作品には合っていると思われる。
残念なのはイ・ヨンエが尻軽女に見えてしまうこと。文脈上そうではないことは明らかだが、もっと上手く見せることはできなかったのだろうか。
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