[コメント] 春の日は過ぎゆく(2001/韓国=日=香港)
Q.「映画の音響は大切ですか?」 A.「Yes」 但しそれは迫力とは無縁の息を殺して耳をそばだてて感じるわずかな音に対して
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
繊細な音を感じ取れるか否かがこの繊細な物語を感じ取れるかどうかにストレートに変換される。
ストーカーと言うなかれ。彼女に対してはもちろんどこにも気持ちのもって行き場が無いだけなのだ。
自分が教えた運転。彼女は知らぬ間に自動車を購入して運転している。自分の知らない彼女がそこにいる。
気持ちをぶつける先はこの車しかなかったのだ。自分の知らない彼女に対する象徴。
誠実で優しくて、家族に愛されている年下の男。それを素直に受け入れきれなかった年上でバツいちで仕事の雇い主でもある女。
おそらく彼の地方では結婚したら嫁は家に入ることが風習だろう。そして彼女は仕事を捨てられなかったろう。
決して愛が変わってしまったわけではない。彼女にはまだ想いが残っている。そう信じたい。
いや、そんなのは妄想にすぎない。愛は終わるのだ。形あるものは必ず壊れる。愛という形の無いものもいつか壊れる。分かっている、分かっているんだ。それでも誰かを愛さずにはいられない。
「別れる」映画を観たのはすごく久しぶりのような気がする。心に痛みの走る映画。
(この職業を見たのも久しぶり。『ミッドナイトクロス』以来だ(笑))
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