[コメント] ラスト サムライ(2003/米=ニュージーランド=日)
聖林から見た、最高のサムライ映画。3.7点。
申し分のない完成度。方向性は違えど『リング』『キル・ビル』『ラスト サムライ』と日本人として嬉しくなる聖林映画が続く。
特定の実在する侍を描かないのは「最後の侍」を描きたいから。戊辰戦争と西南戦争を基に勝元や氏尾に仮託してるのは解るが、正直パラレル=スピリチュアル=ワールドの話で日本の話には思われなかった。
聖林女優として貫録を見せた小雪だが、最大のラヴシーンたる具足をつける場面で、俺は「ふっ」と笑いを漏らさずにはおれなかった。何と濃厚な素振り、濃厚な画面よ。……浮かんでいたのは『たそがれ清兵衛』の名場面。和服の着替えはお互いが至近距離にまで寄るので、社交ダンスのない日本人にとってはこれとない画柄となるが、日本人はそれを淡泊にこなすのである。愛おしさの描き方に聖林との彼我を感ぜざるを得なかった。
激動の倒幕ー明治維新の生きた流れの中で、坂本は、高杉は、西郷は、勝は、志士やその他の侍たちは、武士道と文明開化の中で揺れ動きながら、道を切り開いていったのだ。「武士道」や「侍」というのなら『斬る』や『切腹』、はたまた『たそがれ清兵衛』の方が余程その本質を掴んでいる気がする。この映画の武士道はサムライ=ノルタルジーだ。
ぴよっちょさんに投票したのは、丁度俺もあの盧遮那仏と田植えの幅が気になってたから。同じ事を考えるひとっているんだな。
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