[コメント] エレファント(2003/米)
死と悠久の波打ち際
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
マイケル・ムーアの扇情的な演出とは対極にあるような冷徹さ。
雲が流れる空の景色で場内が無常観で満たされる。
タイトルもすごいのだが、フレームを切り詰めた画面サイズにも驚く。 フレームの中に見えるもの、外にあって見えないもの。 認識できるものと、それ以外にも厳然と横たわる事象の存在を否が上にも意識させる。 わざとフレームアウトする射殺シーンには鳥肌が立った。
視点を切り替えた反復など、自分が幽体離脱してこの世を眺めているような客観視の極北に追いやられる。だが、スタイルを突き詰めるほどに落とし穴にはまっている気もした。ナチやベートーベンなど余計なものを挟んだり、二人の射殺犯(特にシャワーシーン)やいじめられっ子ジャージ娘への視線などは時として監督の情感がにじみ出てしまっている。
それにしても神の視点を得たような描写はショッキングだった。諸行無常とはこういうことなのだろうか?
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (9 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。