[コメント] バブルへGO!! タイムマシンはドラム式(2007/日)
やっぱりホイチョイはいい!ある一定の年代層にとって彼等の発する「新しい遊び」は常にカッコ良かったんだ。そんな彼等が自らをオチョくるっていうんだからこんな楽しい事はない。自分たちがリードしてきた風俗を自己否定するっていう難しい事なんかじゃなく、「オチョくる」っていう軽い感じでやってくれたところがホイチョイ足る面目躍如だろう。
最初に口を開いたのは妻だった。六本木のスクウェアビルのディスコ、アソコで彼女は超ボディコンで踊ってた。次にレディ・クリスタル号、俺は食前酒の頼み方を勉強してからあのクルーザーを予約した。彼女を落とす為に・・・
仕事は何をやっても絶好調、ファッション関係の会社も急成長、いつも女の子に囲まれて仕事と遊びが楽しくってしょうがない、そんな時代だったあの頃。俺の人生で最も楽しかったあの頃。バブリーだと笑われても構わない、あの頃の先端で遊んでたっていうプチなプライドがある。「時代と寝た」っていう感覚は大事だ。俺の嫌いなもうひとつ上の世代が全共闘やら反戦運動とかに身を投じた経験を後生大事にして未だに自己否定出来ないのがよく分かる。
要は単なる思い出に浸る感傷映画に過ぎないかもしれない。バブルの恩恵を楽しまなかった世代からするとバカ映画だ。それは認める。『3丁目の夕日』と同じ批評が繰り広げられるだろう事は容易に想像がつく。だが、そんな馬鹿げた時代をオチョくる映画をホイチョイが撮ったって事が素晴らしいんだ。他の誰かが撮ったんなら俺だって鳥肌が立つ。
しかし、恐らく多くの観客はバブルを否定するどころか、懐かしむだけで賛美すらしてるんじゃないかと怒るだろう。だけど、あのラストの第2・3レインボーブリッジの光景の素晴らしさはどうだ?企業はアレからずっと右肩上がりで俺の給料も右肩上がり、倒産も自殺者もイジメもない21世紀があったかもしれないという幻想。何だか分からないけれどお金を使わなきゃいけないという雰囲気に満ちた時代が今も続いていたらどうだろう。道徳者はお怒りになるだろうが確実に「豊かな日本」。
不健全だったかもしれないが豊かだったバブルニッポン。そんな日本があるのなら俺は絶対そっちを選ぶ。一般庶民にはまるで実感の無い「今の好景気」よりも、庶民が爆発したあの時代の活力が現代のニッポンには必要なんじゃないかと思う。
この映画を観たサラリーマンたちよ、「よっしゃ!もう一度バブリーな風を吹かせてやろうぜっ!」ってな意気込みで明日からのお仕事頑張ってみましょうかね!
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (10 人) | [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。