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[コメント] バブルへGO!! タイムマシンはドラム式(2007/日)

この映画が魅せたもう一つのタイムトラベル。あぁ、貴女はどこまでボクを連れ回すですか。
ピロちゃんきゅ〜

バブルの時代への回帰願望というよりも、これってただ単に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』やりたかっただけの話だね。アメリカ映画がタイムマシンで昔に戻るなら両親が最も華やかだった時代(50年代中ば)へってのと同じ発想で、現代の若者が選ぶ過去の話は両親の最も華やかな時代(バブル期)っていう設定だけの意味でバブル。そりゃそうだろう。バック・トゥと同じで30年前に戻れば〜〜〜〜なんて言ってたら1977年に戻らなきゃいけない。ちなみに1977年は何も無い。王さんが756号のホームラン世界記録達成して野村が南海をクビになったぐらいだ。なかなか寂しい時代。映画にならないよ。やっぱここ30年の中なら90年のバブルじゃねーかと。

とはいえ、アメリカの50年代回帰願望という判りやすさに比べると90年のバブルの浮かれッぷりは正直いってバブル世代でさえ微妙なのだ。せいぜいうちのカミさんと初めて会った時はソバージュだったなぁぐらいのもので、卒業パーティーなんて知らないなぁってもんである。ていうか、やっぱりちょっと半端に最近過ぎて局地的過ぎるんだよね。むしろ若い世代には反感さえあるだろうし。それはオレよっかちょっと上の世代が学生運動世代を冷やかに見るのと同じかもしれん。まあ、その彼らの子供たちがバブル世代の浮かれっぷりのお陰で就職難の時代だったりしたってのがまた皮肉だし。阿部ちゃんのファンはともかく、たいていのヒロスエのファンはその世代まっただ中であって見てる側のほとんどは苦々しく見るんじゃないか?なのにヒロスエの起用。これにはきっと海より深い意味があるに違いない。その真意は何だ??

とかなんとか、この映画をマジメに考えるのって東スポに対して真剣に討論するようなものだ。浮かれて見るのも悪くないぞ。

と、簡単に言って切り上げたいところだが、言いたい事が山ほどありすぎてまとまらん。まとまらないので広末涼子一辺倒で語ろうと思ったら異常に長くなってしまってまとまらん。どうしたらいいのだ。と思い、何回も下書きを書き直してるうちに初見から2週間たってしまった。ここは涙を飲んで広末涼子一辺倒で語ろう。と思って何回も下書きを書き直してるうちに2回目鑑賞から1週間以上たってしまった。たぶんもうすぐ3回目に突入すると思われる。

まとにかく、あんまり長くなると『恋愛寫眞』の時のように呆れられるだけなので短く頑張りたいと思う。正直、面倒なので広末涼子一辺倒でって何回も語らせないで。いや語らせろ。と、ここまでがコメントの序章か。ダイジョウブか、これ。

とりあえず、まずはこのコメントの初期設定としての広末涼子を説明したい。

デビュー以来のファンである自分には余りにも当然なので、改めて、いや、初めて説明するが、昔からのファン以外には広末涼子はずーっと広末涼子であって、そこに大きな起伏などはないのかもしれない。しかし、オレのようにずーっとじっくり見守り続けている者にとってはこの広末涼子10年超の芸能史には大きなうねりが何度もあったのである(ドン!)。

簡単に書けばこの通り。

第1期・デビュー(1994年)〜ポケベルはじめる〜『20世紀ノスタルジア』〜紅白出場〜高校卒業(1999年3月)

第2期・大学入学(1999年4月)〜『秘密』〜「オヤジぃ」〜「出来ちゃった結婚」〜『WASABI』(2002年2月)

第3期・「イルカと過ごした5日間」(2002年9月)〜『恋愛寫眞』〜「元カレ」〜休業宣言(2003年12月)

第4期・復帰(2005年6月)〜「スローダンス」〜「愛と死をみつめて」〜『バブルへGO!!』(2007年2月)

もちろん広末涼子が一番売れたのは第1期。早稲田受験の動乱まで。人によっては広末涼子はここ(ぶっちゃけ「魔法のキモチ」)でピークが過ぎたと見る者もいる。しかし、実はそのお受験の反発が去った後に広末涼子が一番輝く時期がやってくる。西暦2000年だ。余りにカワイイ大人になったヒロスエは「オヤジぃ」でピークを迎える。が、その後に『WASABI』の海外進出が発表された途端、なぜか一転してバッシングの嵐へ。まんまとフライデーされるヒロスエ。構わず遊びまくるヒロスエ。ちなみに、ちょうどこの直前ぐらいにピロちゃんきゅ〜が誕生(2001年2月)。世のためヒロスエの為にと立ち上がり、それこそまるで『WASABI』で独り浮きまくるように気合の入った演技を魅せたヒロスエのようにネットの片隅で孤軍奮闘する日々が続く。アンフェアなのは誰だ!で、ヒロスエはそんな応援に気付かないまま『WASABI』の撮影で精神的に来て最悪の状態で「出来ちゃった結婚」放映。結果、この2001年の終わりにはCM女王たる存在から一気にCM契約がバカバカ切れるという異常事態に発展。この底まで落ちたとコアなファン以外には思われた広末涼子が反攻に出るのが2002年夏以降。激しいバッシングを完全スルーするようにパラオまでイルカに会いに行ってから抜け切ったようにマイペースで地味に活躍。だんだんとボルテージを上げて『恋愛寫眞』「元カレ」で完全復活。そしてそのパフォーマンスは「幕末純情伝」にてエクスタシーを迎えて妊娠にてバブル崩壊。休業宣言後18ヶ月にわたりピロQ放置プレイの後、ドラマ復帰、徐々にCMも戻ってきてようやくスクリーン復帰。今に至る。やっとコイルがあったまってきた所だぜってなものである。

このように広末涼子もただずっと広末涼子だったわけじゃなく、「怖いもの無しの広末涼子」と「輝き過ぎて蹴落とされた広末涼子」と「勝手に広末涼子」と「大人の広末涼子」の4人のヒロスエがいるわけです。ちなみに全部大大大大好きです。

さて、そして今回の映画にようやく話は戻りましょう。

今回の映画は広末涼子がタイムマシンに乗って過去へ戻ってバブル崩壊を食い止めるのが主旨です。まさにその通りなのですが、実はここにもう一つのタイムパラドックスが存在しているのです。現在の「いろいろあったなぁと遠い目をする広末涼子」が過去に戻って「怖いものなんてない!」という元気印のヒロスエを取り戻す話でもあるのです。そのために、劇中の90年に戻ったヒロスエは、全盛期である第1期〜第2期の初めまでというヒロスエ自身のコスプレに全力投球しているのですよ。

その証拠として、今回の広末涼子が演じたコスプレを羅列してみましょう。

*喪服ヒロスエ  *金髪キャバ嬢ヒロスエ  *走るヒロスエ  *喰うヒロスエ  *競泳水着ヒロスエ  *ウェットスーツヒロスエ  *踊るヒロスエ  *シャワー浴びるヒロスエ  *風呂あがりヒロスエ  *歯を磨くヒロスエ  *ゲームボーイするヒロスエ  *白ぬりヒロスエ  *土佐女ヒロスエ  *叫ぶヒロスエ  *ヘルメット被るヒロスエ

広末涼子を知る人間にとっては目からウロコが飛び出る競泳水着のヒロスエ。きっとDVDが出たらオレのパソコンの壁紙はずっと競泳水着の絵です。間違いなく。さらには踊るヒロスエに鼻血が潮吹く事でしょう。そう、これが今回の新しいヒロスエ。特にこの踊るシーンは広末涼子を見せる映画シーンという意味でいうと『WASABI』のファッションショーのシーンを越える過去最高のヒロスエシーンですね。映画の中で踊るシーンでこんなに震えが来たのは『姉妹坂』の富田靖子以来ですよ。いや、アレを越えるな。要は最新の限界ギリギリ攻めるヒロスエ。ところが意外や意外、その他のヒロスエは実は「なつかしいヒロスエ」のオンパレードなのです。

喪服のヒロスエは『秘密』。金髪のヒロスエはキシリッシュのCM(正確には茶髪のおかっぱだったが)。キャバ嬢姿は「オヤジぃ」。しかも赤い服で肩出しはティオのCMかな。走るヒロスエはポケベルはじめる(初期型ヒロスエの象徴)。食べるヒロスエはいろいろ(中期型ヒロスエの象徴)。ウェットスーツヒロスエは「ビーチボーイズ」。歯を磨くヒロスエは写真集「R」の名シーン。シャワー浴びるヒロスエはスーパーマイルドシャンプー。ゲームボーイするヒロスエはドラクエのCM。ヘルメットを被るヒロスエはホンダのCM。叫ぶヒロスエなんてマニアだね、ガルボのヒロスエですよ!はぁはぁ。惜しむらくはオーバーオール姿で泳ぐヒロスエ(写真集「No Make」の名シーン)が欲しかったぐらい。ま、競泳水着と腰の動きに免じて全てを許したい。

いやぁしかし、このコメント上げるために確認の為にって「オヤジぃ」見てたらカワイイのナンのってもう筆が進まないっていうんですか。要はこの映画、ヒロスエも髪を切って22歳という設定という時点で、実は結婚も出産も『WASABI』すらも一回リセットという、つまり「オヤジぃ」の次に出た映画という事にしたいのですよ、きっと。「WASABI出演が決定」という衝撃の発表を食い止めて、広末涼子はいま22歳。まだまだヒロスエ印は元気いっぱい!みたいな。まさに、今の広末涼子に対してホイチョイが「このままでは広末涼子はただの主婦になる。それを食い止めてくれ」と言って出演、見事に2007年現代に2000年の弾けたヒロスエの勢いを復活させて2歳分進化させたヒロスエ最新作を持ってきたっていう演出だったのです!ちょっと無理があるけど。ま、これが広末涼子起用の真意だったわけですね。←やっと提議に戻った。

と長々とした自説にお付き合いくださりご苦労さまです。結局『恋愛寫眞』級に長くなってしまいました。ヘヴィだ(←バック・トゥ)。ちなみに、堕落したヒロスエも好きです。孤軍奮闘で空回りしてる『WASABI』のヒロスエも好きです。あと油が抜け落ちてダラダラフラフラやってた時期の『恋愛寫眞』はもっと好きです。要はありのままのヒロスエが好きです。はい。まあ、こうゆう昔のヒロスエ可愛かったよなぁって主張も判りますけど、今だって充百分にカワイイし綺麗だしスタイルいいし絵だって書いちゃうしすげーんすよ。はやくららぽーと豊洲にいかねば。絵が消えちゃう。

ちなみに、主演の阿部ちゃんですが、ヒロスエとドラマで共演(主演は竹野内だが)しているのが1回だけあります。2001年、オレ的ヒロスエ最悪の作品とした「出来ちゃった結婚」。今回のプロモで「お二人で共演というのは?」という質問にも「ちゃんとしたのは初めてですね」と阿部ちゃんが答えていました。「ちゃんとした」って所で爆笑したのはオレだけだったんでしょうか。阿部ちゃんとの関係もリセットして今回からリスタートという事かもしれません。山田と上田のような名コンビになる事を期待したいっす。

**** 追記 ****

ここまで長いながら更に追記。

公開1ヶ月経過を目前にようやく3回目の観劇。満足げに帰る道すがらレンタル屋がありましたのでふらっと寄ったのです。すると、そこには「バブルへGO!!タイムトラベル徹底ツアーガイド」なる映画を見る前にチェックしてね!という宣伝無料DVDがレンタルしてたのです。3回もみたあとで見る前に見ろDVDを見るのもどうかと思ったわけですが、まあそんなのはともかく無料だし借りてみたわけですよ。

で、ヒロスエのNGシーンとか見てうんうんと頷いていたところ、馬場監督のインタビューもありました。

「ヒロスエさんの全盛期の時代って、ボク、既におじさんだったんで知らないんですよ(笑)」と。

何ィ!

ここにオレのこの膨大なコメントは泡となって弾けた。

(評価:★5)

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