[コメント] アラバマ物語(1962/米)
素晴らしい出来。唯一文句を言うとしたら、父親アティカス役のグレゴリー=ペックがあまりに完璧すぎるので、そこだけがちょっと引いたくらいか。ほとんど嫌味としか思えない完璧ぶりだったし。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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映画を観ていて、本当に良かった。と思える時がある。これだけ次々映画を観てきていても、自分がまだスレていないことを確認できたと言うことが何より嬉しい。これは本当に“泣ける”映画だった。
この作品は本当に色々なものをバランス良く詰め込み、それが上手く融合している。特に子供の目から見た自分たちだけの世界と、そこに闖入してくる大人の理論。その矛盾を主軸にしてのアメリカ南部に根強い差別意識を浮き彫りにすることに成功している。主人公を幼い子供にしたことで、観客が彼女に同調し、変な差別意識から超越した視点が与えられる。裁判の結果に憤慨し、純な心を持つが故に閉じこめられてしまった隣人の優しさに涙できる。素晴らしい出来だった。
登場人物だが、主人公のスカウト役のメアリー=バダム、兄のジェム役のフィリップ=アルフォード。共に見事な演技力を見せており(弟に意地悪ばかりして全然優しくなれなかった自分自身を顧みたりして)、なんと言っても隣人ブー役のロバート=デュヴァルの微妙な演技が素晴らしい。ラストで見せるデュヴァルの微笑みのシーンはまさにベスト・ショット。
“差別”というキー・ワードだけでなく、子供の目で世界を観るという、新鮮な視点が得られるので、是非お勧めしたい作品の一本。
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